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自分でアリスが“なくなった”と断言するには、それなりの確信があると理解している。
体の中でぽっかりと穴が空いたような、体を巡るものがなくなったような、そんな違和感が感じられるのだ。
自分と同じように、アリスがなくなったと相談しにきた子で、それが単なる不調だったケースは１つもなかったと聞いた。
きっと次の春にはＢ組の教室でも特力でもこの寮でも、ほっしゃんの姿を見ることはない。
それを思うと鼻の奥がつんと痛くなる。滲みそうになる涙を、何回も細かく瞬きをして誤魔化した。
『夜おそくにごめんね』
寂しげな顔をし、スケッチブックを向けて帰ろうとしたものだから引き止めた。
星野は一人で大丈夫と首を振ったけど、そうしたかったから。
スケッチブックを持っていたという理由以上に固く握りしめられた手を解き、自分とあまりサイズの変わらない手を握った。
一緒にベッドへ潜り込む。前に、翼と一緒に寝た時には狭苦しかったこの場所も、十かそこらの子供が２人寝ただけではまだ余裕がある。
昔はよくこうして一緒に寝ていた。翼達が初等部にいた時は、床に布団を敷き詰めて、皆で団子みたいになって眠ったこともある。
さすがにＢ組に上がってからは、部屋に遊びにきても、そのままお泊まりをすることはなくなっていた。これが最後かもしれない。
「…おやすみ、」
感傷的な気分になりながら言った。星野も口だけ動き、頭から布団を被った。
確信が何かの間違いならいいのに。アリスがなくなってなければいいのに。彼女の小さな望みは、時間が経つにつれて裏切られた。
小さな決意と大きな不安
2つをうまくポッケにしまって
たたいて くだいて 一つになって
大きな大きな虹になるといいな……
みんながくれた
僕の幸せのかたち…
「本日は悲しいお知らせがあります。このクラスの…
君達のお友達が一人、このアリス学園を去ることになり
ました。
そのお友達は
お別れは１週間後。急な知らせでみんなもびっくりしたとは思いますが、残りわずかのお友達との時間を大切に過ごして…………」
星野が部屋を訪れてから数日後の、終業式を前にして、今年初めての雪が降って、一層冷え込んだ日。
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未来(プロフ) - 感想ありがとうございます！完結までまだまだ先は長いですが精進して参りますのでよろしくお願い致します。 (9月5日 19時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしているので頑張ってください！ (9月5日 8時) (レス) id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2023年7月24日 10時
