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これって、もしかして小さい頃のあたしも写ってるよね、うわあ、恥かしいっ。
「わ──、翼先輩に星が無いー!ヘンーっ!」
「もっと古いヤツ見よー!」
「まったく…………」
「すみません、騒々がしくて…」
そして下からアルバムを取って、次々にページを捲っていく。
「わ───!
ナル先生と岬先生の若い頃の写真がある──っ!
何でこんなん混じってんのー、特力のアルバムに」
ブ───っ!
少し離れた所で野田先生とお茶を飲んでいた岬先生は、お茶を吹き出した。
「す…すみませ…」
「い…いえ…お気になさらず」
野田先生の顔を拭いて急いで岬先生がこっちに向かって来た。あれ、今、蛍がカメラで撮ったような…。
「鳴海先生と岬先生、こんな生徒だったんだっ」
「何かこの2人、悪そーな顔してんな──元ヤンか?」
「鳴海先生かっこい──!キレ──!!」
「岬っち、根暗そうだな…」
「中等部の頃だな、こりゃ」
「今井…っ!お前今、写真をカメラで撮っただろっ!
返しなさい!!」
「…」
あたし達の輪の中に混ざって、ちゃっかり撮った写真の没収を試みる岬先生だけど、蛍は華麗にかわした。
「これって隠し撮りっぽいな、何か怒ってるし」
「ナル先生って今とこの頃、印象全然ちがーう」
「それにしても、岬先生はともかく。
結構、ナル先生が特力の人達と写ってる写真がでてくるなー。仲いい友達か彼女でもいたのかなー」
「あ、またナル写真みっけ」
蛍と岬のやり取りを横目に会話を続けた蜜柑達は次々にページを捲っていく。
「ナルの彼女は…」
「ん?」
そして、不可解な写真に出会ってしまう。
「……何だこれ、心霊写真……?」
特力の人達と鳴海先生が一緒に写ってるって言い出してから、ペラペラと写真を捲っていた時に出てきた写真。
焼け焦げでも、落書きでもない、4人の顔についているシミのような不自然な跡。
「何でどの写真も…
顔だけがこんな風に消えてんだ…?」
「やだ──本当だ、きもちわるー」
「この髪結ってる人ってナルの……彼女?」
白衣を着た先生っぽい人とネクタイをしている男の人、鳴海先生とよく一緒に写っている髪の長い女の人と髪を結った女の人の顔がどの写真も消えていた。
「この人達の顔どれも全部だ。こんなのここまできたら偶然じゃねーよな」
「誰かのいたずらにしても、こんなの悪質だぞ。念入りだし…」
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時