星々の輝き、祈り。10【学園アリス】 (ページ41)

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「あ…Aちゃん！どうして…」

「…っ、え？」

「どうして棗くんがっ、ここに…」

立ち上がった途端にズルズルと棗くんに引きずられた。のばらちゃんが焦ったように階段に近づいてくる。

「棗くんをとめて！棗くんはここへ来てはだめ…っ
今花姫殿(ここ)へ来ちゃだめなの！」

「のばらちゃ…っ、何言って、」

「おねがい、棗君をここから連れだしてAちゃん。
今からでも遅くはないかもしれない」

棗くんにズルズルと引っ張られて、周りの声にかき消されたのばらちゃんの声はほとんど聞こえなくて。でも、それでも、１つだけ聞こえた事がある。

「のばらちゃんっ！」

「さっさと歩け。…引きずられてーのか、」

「こちらへ」

「Aちゃ…」

あたしとのばらちゃんの間を遮るように、バタンと扉は閉められた。

棗くんが此処に来てはダメってどういう意味？

のばらちゃんの焦った表情、冷たくなった棗くんの瞳。何故だか、とても嫌な予感がした。

「(！！！、…す、凄すぎる……っっ)」

２階に入った瞬間に言葉を失った。余りにも広い部屋とエンドレス和室と廊下。綺麗な装飾品。

「姫宮さま。花姫候補今井蛍、白崎A。以下４名おつれ致しました」

「お入り」

その声と共に開かれる豪華な襖。入った部屋にまたもや絶句した。

「ようこそ、我が新年の宴へ」

綺麗な人を挟むように座っている人達。ああ、なんて優雅な光景。まるで竜宮城。

「まあ、おもしろい子だこと…」

はしゃいでいる蜜柑や唖然としているあたしを見ても、お上品に口元に手をあてて微笑んでいる。

奥に座る長い黒髪に綺麗な簪を差し、豪華な着物を来ている女性、天女様みたい。

「ようこそ花園会へ。いらっしゃい選ばれた方々。…とそうでない方々」

あ、今、中等部校長が棗くんの事睨んだ？…あれ、蛍が凄い見られてるっ。わっ、あたしも見られてるっ。

「姫様、よだれが…」

「あら…」

「｢｢(え…)｣｣」

不思議な雰囲気を持つ中等部校長は、少し(？)変わった方のようです。

「紫の瞳の…あなたが今井蛍さんね」

「はい」

「噂にたがわぬ美少女だこと…大変な秀才でいらっしゃるとか…」

「はい、まあ…」

す、凄い。何にも動じていない蛍はいつも通りの口調でしれっと言い放った。

「まぁ、はっきりしたおっしゃりよう…」

「姫宮様がお好みそうなお嬢さん…」