477・中等部編 花園会 ページ37
「6人共──、そろそろ出掛ける時間だよ──。仕たくできたー?」
「は──い」
「お…おまたせ、しましたー」
美咲ちゃんやスミレちゃん、野乃子ちゃんに着付けを手伝ってもらい、なんとか着替えが終わったあたし達。
付き添いの鳴海先生の声がして皆の前に出た。うわぁ、見られてる見られてる、恥ずかしい。
「かわい──3人共っっ!」
「ふ──、カーテン越しの着替えの難しいこと…お!3人共かわいーじゃん」
「女子の着付けのが大変だっつーの」
あたしは紅や白や淡色の煌びやかな、蜜柑はオレンジや桃色で可愛らしい、蛍は黒地で紫色の綺麗な着物に身を包んでいる。
「ところで、あとの2人は?+1人」
心読みくんの声に蜜柑と蛍の目がキラ──ンと…光る。きっとこの後2人は蛍に写真撮られて売られるのかな、それも高値で。
「ちくしょう…」
「振り袖じゃなくてよかった…」
その後直ぐに出てきた、かなりお怒りの棗くんと恥ずかしそうに顔を赤くした流架。やっぱり、顔が整ってる人って何着ても似合うんだな。
「キャ──!!棗くん、ルカ君いろっぽい──っっ♡」
「わ───、すごい2人共っっ!ルカぴょんかわい──っっ!」
「案外まともだー」
「………」
「…何だよ」
棗くんは凝視する璃音くんに対して、不機嫌そうに話しかける。
「いやー、思ったより棗がオカマっぽくないなーって…
ぃったあぁ!!褒めただろー」
「フン…」
「璃音、それ褒めてないよ…」
3人の様子を見ていたら棗くんと流架と目が合った。似合いすぎてる2人に、恥ずかしさがこみ上がって思わず目を逸らしてしまった。
「(…A、可愛い…)」
「(…紅い、振り袖か)」
「じゃれてる最中、申し訳ありませんが…
お迎えの車きましたから、早よこい。どうぞ蛍さま…」
約束の時間に遅れるわけにもいかないから、いそいそとあたし達は迎えに来た車の後部座席に乗り込んだ。
「そうそう、
「んにゃ?」
「中等部校長は何というか、変じ…」
「おい、今...」
「気分屋というか…気まぐれな上に機嫌を損ねると少々やっかいな方というか…」
「璃音みたいな人やな」
「はあ?俺のどこが気分屋の厄介者だよー」
「「「そういうところ」」」
勝手に着いてきて足を組む璃音くんを指差す蜜柑と蛍、翼くん。
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時