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「特に蜜柑は学園で注目されたわけでも優等生でもないし。裏ではいろいろあったけど」


「まー、そーゆーこともあるんじゃねーの?たまには」



「ん──、何かきなくさいんだよなあ…裏に何もなければいいけど」





本当に嬉しそうにしている蜜柑を見て翼くんが少し眉を寄せていた事に気づいたのは、もしかしたらあたしだけかもしれない。





「あ!翼先輩ー。
このもっちもっち粉の効果、いつ切れるん?」


「ん?もう1時間経ったろ?そろそろじゃね?」


「あ!効果切れたー!」


「「あ、はずれた!」」


「「あ、はなれた」」





蜜柑の問いに翼くんが答える。すると、蜜柑が叫んだと同時にあたしの手から蜜柑の手が離れた。


周りを見渡せば、野乃子ちゃん達も離れてた。でも一組だけがそのままだった。


ぴっとり…とくっ付いている蛍と流架。





「え…え──と…」





離れないんですけど…?
蛍は翼くんに対して冷めた目で訴えている。





「え──何何?

“例外として稀に、もっちもっち菌ととても相性の良い体内細胞の持ち主の方はひっつきが2〜3日続く場合があります。あしからず”、だってさ。」



「(え…え────…)」





翼くんの代わりに美咲ちゃんがもっちもっち粉が入っていた袋を持って注意事項を読んだ。それを聞いて、蛍は再び翼くんにバカン砲を食らわせた。


簡単に言うと、蛍達は2〜3日はあのままだってこと。





「それにしてもまいったなー。招待者()がこの状態のままで明日の花園会、無事で出席できるのかなー?」


「そりゃムリでしょ」


「う、」


「鳴海先生!?」


「中等部校長は、招待してもない人間の同伴なんて許さないだろうし。しかも、男の子…」





翼くんの疑問に応えたのは、さっき別れたばかりの鳴海先生だった。





「んふふー♡
何か胸騒ぎがしちゃって戻ってきちゃった♡」





参加ができないと聞いた蛍の後ろには、どうなる花姫…特別待遇…ごちそう…など殺気の籠った文字が並んだ。


その文字は、蛍と離れない流架が抱えている陽一くんがアリスで引き立たせたもの。





「ほ…蛍様がこわいよ──っ、みさきちゃーん…」


「きしょい寄るな。自業自得だろ、アホ」





翼くんは美咲ちゃんに助けを求めたけど、あっさり振り払われてしまった。





「で、こんな時にアレなんだけど。はいAちゃん♡」


「へ?」





そう言って近づいて来た鳴海先生の手には何処かで見た事がある封筒。

470→←468・中等部編 もっちもっち粉



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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。  (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時

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