468・中等部編 もっちもっち粉 ページ28
まぜたモチを一定時間発酵させた後に、2〜3個に分けて別の人同士が食べるとしばらくして、さっきみたいになるらしい。
「1時間くらいで離れるから、大した事ないんだけど。かく言う俺もハメられて、メガネとくっつくハメになったりさー。アハハハハ、アハハハ……」
「も─────っ!翼先輩のアホ───っっ!
この忙しい時に───っっ!」
「や…ホントごめん…」
その後、直ぐに翼くんは棗くんのお怒りの炎と蛍からのバカン砲でお怒りの一発を食らってボコボコにやられてしまった。
今回ばかりは、あたしも助けてあげれない。
「…あれ、」
あたしがいま、くっ付いてしまった方から凄く不機嫌なオーラが出てるんだけど。でも、少しだけ、気になってしまった。
「……何だよ、」
「棗くん、あたしの作ったお餅、食べてくれたの?」
「…てめえの舌とっ替えてこい」
あたしの言葉に目を見開いて舌打ちをした棗くん。 そっぽを向いてしまったけど、凄く嬉しかった。
「Aの作ったお餅美味しくてっ、あの後こっそりAのイチゴ大福つまみ食いしたんやー、ごめんなー」
そう、あたしの右手はガッツリ棗くんの左手と繋がってしまっている。そして左手は蜜柑の手が繋がれている。
それはつまり、あたし達は今3人で一緒に行動しなきゃいけない。
何時まで続くのかな、なんて事思って溜息を吐いた時に聞こえたのは、隣で驚く蜜柑の声だった。
「蜜柑ちゃん、袖から何か落ちたよ。お年玉袋」
「えっ、どこ?!ひゃー、うちの大事なお年玉…」
頭をかいたの拍子に、袖から紙袋みたいな物が落ちた。どうやらそれは年玉袋みたいで。
「ん…な、何っ…!?」
拾った瞬間、封が勝手に開いて花びらが巻き上がった。何事かと蜜柑を見れば、一粒の綺麗な桜色の玉が蜜柑の元へ降りてきた。
「これって…抽選玉…?」
「な、んで蜜柑に……?何、この展開…」
「え───!!?何で佐倉さんのお年玉袋に、花園会の抽選玉が!?」
「これって蜜柑ちゃんがサロンの一般招生に選ばれたってこと!?」
「「(何で…!?)」」
周りに居た皆は、羨ましそうに蜜柑の元へと駆け寄る。勿論これには、翼くんも美咲ちゃんも驚いていて、目を見開きながら喜ぶ蜜柑を見つめている。
「な──んか、おかしくねえ?」
「へ?」
「や、蜜柑の事。そう都合よく蛍ちゃんの友達の蜜柑に抽選玉がいくと思うか?」
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時