星々の輝き、祈り。10【学園アリス】 (ページ27)

今日:40 hit、昨日:57 hit、合計:12,049 hit

467 ページ27

「まあ、その年注目されたり、いい活躍した子の所に玉は行きやすいっていうけどな。大体のとこ」

美咲ちゃんの言葉で、皆の目の色が変わった気がした。

「｢｢｢(いきたーい！！
サロン新年会抽選玉ほし───い♡♡)｣｣｣」

「あれ？
何か俺ら、いつのまにかその気にさせちゃったか？」

「確実にな……ユーリ様効果とセレブ効果か？」

皆、そんなに行きたいのかな。あたしにはサロンの魅力がイマイチ分からないなあ。

「だ──か──ら──言ってるだろー。
初等部生に抽選玉が当たった事はないって、お前らはOUT OF眼中なの！」

「うんにゃ！そんなことまだわからんもんっ、現に蛍かて、花姫候補として招待状もらってるやんか──」

「うﾞ…」

「ほっとけばいいじゃん。そのうち諦めるって」

璃音はそう言って、今だに何かを考え込む棗に近づく。

「……」

「……花姫殿の噂、気になるの？」

小さく呟けば、ピクリと動いた肩。そして合わせられる紅の瞳。

火のないところに煙は立たない。何らかの関わりあると思うが、何せ男子禁制だから調べることは出来ない。

あの姫さまの所に居るなら、どんなに探ったって情報が出てこないのも頷けた。

「ん？」

皆が無限の可能性を信じて抽選玉を探し始めたのを見ていた時に事は起こった。

「え、」

「う？」

「あれっ、」

「！」

「ふぁっ！」

「ん？」

体が急に後ろに引っ張られた。それも物凄い力で。え。体が、引っ付いた？皆、目を大きくさせて驚いている。

アンナちゃんと野乃子ちゃん。
心読みくんとキツネ目くん、蛍と陽一くんと流架。

そして、蜜柑とあたしと棗くんがぴったりとくっついてしまった。

「えっ、何で？！」

「あ────…そうだったそうだった」

呆気に取られているあたし達に翼くんは頭を掻きながら答えた。

「花園会の騒ぎで、すっかり忘れてたけど。
それ、“もっちもっち粉”のせいだわー」

もっちもっち粉……？

皆は一斉に睨みつけるけど、当の本人は現物を皆に見せながら笑ってる。

「これこれ。中等部(ウチの)寮で流行ってたもんでちょっとイタズラのつもりでさ──アハハ、わりー。

そうだった、そうだった。
オレがモチにコレまぜといたんだったわ」

事の原因は全て、翼くんだった。

食べた人達が磁石や餅みたいに、身体が引っ付きあって離れなくなる、その“もっちもっち粉”のせい。