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スミレちゃんがイチゴ味を作っていたから、あたしは結局イチゴ味にはしなかった。
「な、棗くんっ、」
スミレちゃんが離れたのを見て、棗くんの側におずおずと寄った。
「…これ、あたしが作ったいちご大福なんだけど…
気が向いたら食べてっ、味はあの…っ、…だから!」
逃げるように、恥ずかしさを隠すように翼くん達の所へダッシュした。だから棗くんの呟きは聞こえなかった。
「…最後の部分聞こえてねーよ、バーカ」
あの後、誰かの発言からあたし達の話題は“蛍の花園会招待状”についてになった。
「え。蛍ちゃんとこに、“花園会”から名指しで招待状がきた!?」
「え?何何?」
「「……」」
お餅を食べていた美咲ちゃんと翼くんは心底驚いた表情をした。冷や汗を流して、互いに顔を合わせている。
「そや!きこーと思てたんや。なーなー、“花園会”って何なん?何かすごいとこなん?」
「そっかー、蛍ちゃんがなー。
まあ、初等部注目の天才美少女っつーふれこみで、目ぇつけられないわけないか…」
「せんぱーい」
「あ──だから、何つーか…“花園会”てのは中等部校長選りすぐりの精鋭美少女サロンってとこだよ」
「「「「「(精鋭美少女サロン!?何それ?!)」」」」」
その言葉は衝撃的だった。翼くんの言葉に、完全にドン引いてしまったあたし達。それを近くで聞いていた皆も驚いている。
「簡単に言えば、中等部校長の美少女ハーレム?てとこ?」
「まあ、初等部の子が
蛍から受け取った手紙の招待状を見ながら美咲ちゃんは続けた。
「中等部校長は、まあ…
確かな情報かどうか怪しいけど、大の男嫌いらしくて。
「ひ…秘密の花園…」
「才色兼備、眉目秀麗。とにかく全てにおいてレベルの高い女生徒しか“花姫”に選ばれる事はないんだ。
蛍ちゃんの招待状は多分その“花姫”候補として呼ばれた新年会のお誘いみたいだな」
「え…」
「よく分からないけど、すごい…蛍ちゃん!」
「流石だね、蛍っ」
「ふ──ん」
「「「「「(捨てた──っっ!!あれ──?!)」」」」
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未来(プロフ) - てあさん» 嬉しいお言葉、ご愛読いただきありがとうございます。 (2023年3月24日 22時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
てあ(プロフ) - すごく面白くて大好きです。 (2023年3月24日 3時) (レス) @page50 id: 0608e9eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2023年1月11日 19時