星々の輝き、祈り。10【学園アリス】 (ページ18)

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「わ──い！年賀状がいっぱ──い！」

「僕宛のどこ──？」

「みしてみしてー」

「ほい、佐倉といいんちょーの年賀状」

積み重なっている年賀状に皆は集まり、自分宛の年賀状を必死で探している。年賀状は人伝に手渡されながら、皆に振り分けられた。

「みてみてっ、20枚もきてるよー！あっ、ナル先生からやー♡」

「｢……｣」

無視されて落ち込んでいたはずなのに、自分の年賀状を受け取って喜ぶ蜜柑は完全に誕生日のことを忘れてる。そんな蜜柑に蛍と棗くんは白い目を向けた。

「はいAちゃんの分、こっちが流架君」

「ありがとう」

手渡された年賀状には、鳴海先生や神野先生や野田先生を始めとした教師陣。

璃音だけじゃなくて翼くんや美咲ちゃんや要くん、秀一くん達など普段から交流のある人達からだった。

「うおっ、すげ──っっ、今井！年賀状のビルが建ってるぞ！」

そんな声が聞こえて視線を向けると、蛍が座っている所には年賀状が積み重なっていた。お年玉の年賀ハガキのチェックして当選確率を見ている蛍は相変わらずだね。

「あっ。流架、年賀状落ちたよ」

「え、」

あたしは流架の手から落ちた年賀状を拾ると、偶然メッセージを目にしてしまった。

「あっ、りがとぅ…」

流架のお母さんから送られてきたと思うその年賀状には棗君や葵ちゃん、と書かれてあった。

「(葵ちゃん…？そんな子、いたっけ…？)」

「キャ──！ルカ君！
その年賀状の写真、ルカ君の家族！？」

「や…」

「みしてみしておねがーいっ！今、チラッと見たけど、モデルみたいなキレーな人いたー！ルカ君のお母様?!」

「みるなよっ！」

あたしが流架に手渡した時に年賀状が見えたスミレちゃん。

流架の年賀状はあっという間に皆の話題の中心になる。それに興味津々な蜜柑と蛍が流架の元へ向かう。

２人は流架の後ろに回り込み、一瞬の隙を見て年賀状を奪った。

「｢｢！！！｣｣」

流架の家族写真を見た蜜柑と蛍とスミレちゃんは、目を見開いた。

超！！絶！！美人母っ！！！
IN山、畑 WITH柴犬、ダイコン、天守閣？！

「ルーちゃん……」

「ル、ルカぴょんの大人の女の人バージョン…っ
すんごいキレーなお母さん…モデルか女優さんか？！」

「何このミスマッチの具体例みたいな、」

「返せよバカー！」

口をあんぐり開けている蜜柑達。顔が真っ青な流架は、年賀状を取り返そうと手を伸ばす。