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いつもは物陰に隠れて一人でこっそりやっていたけれど、その日だけ人前でアリスを使ってしまった。
施設の子が書いた絵を他の子が破いしまって、その子は泣きじゃくり、先生は困り果てどうしようもなかった。
あたしはその子に元気を出してほしかった。破れた絵を直してしまった、それがいけなかったんだ。
「アリス学園の者です、」
「はじめましてAちゃん。
僕は鳴海、君のクラスの担任だよ」
「アリス学園へようこそ。
歓迎するよ、白崎 Aちゃん」
「…Aちゃん。君は、学園に来て…」
そこで言葉に詰まった先生。でも何となく何が言いたいのか、分かった。
「…最初は学園に来て、よかったとも…アリスを持ってよかったとも、思えなかった。寧ろ、この力を持たない方がよかったって思ってた、」
「…っ」
「でも、この学園に来て、スミレちゃん、心読みくんと友達になって、クラスにも馴染めるようになって…
棗くんと流架くんと出会って…
今は蜜柑や蛍ちゃん、璃音くんもいて毎日楽しくて…
それに先生の生徒になれて、よかったって思うの、
あたし、担任が鳴海先生でよかった……っ」
紛れもない、本心。
本人を目の前にしてこんな事を言うのは気恥ずかしさがあった。なんだか照れくさくなって布団で顔を隠した。そしたら、ふわりと布団越しに抱きしめられた。
「僕も君の担任でよかったよ」
──────君の一言でこんなにも救われるんだ。
きっと棗君も君のこんなところに惹かれたんだろうね。
優しい子だよ君は。
蜜柑ちゃんとは、また違う温かい光。
「ありがとう、Aちゃん。
……………だからこそ、僕にできることはするから」
「…？先生、何か言った？」
「…なんでもないよ。さーってと、そろそろ寝よっか。夜ふかしは体に悪いしね♡」
何でお礼を言っていたのか、小声で聞こえなかった言葉もどちらもあたしには分からなかった。
ちらりと布団から顔を出すと、先生はすごく優しい表情をしていた。それを見ながら包まれる温もりに安心しているといつの間にか眠ってしまっていた。
明日は快晴だねって、眠る間際に先生は星空を見ながら呟いていた。
今日のあたしの心は雲行きの怪しい空のようだったから明日は天気と同じように晴れ渡っているといいな…
朝日に目を覚ますと先に起きていた先生が隣にいて頭を優しく撫でておはようと言ってくれた…
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります！ (2020年6月6日 13時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました！！これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…！ (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます！これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2020年4月24日 1時
