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「聞いてもいいかな？Aちゃんは……家族に会いたいって思う？」
何でそんな事を聞くのか。
何を思って聞いたのか、真相は分からない。
薄暗い部屋で黄金色の中に浮かぶエメラルドグリーンの瞳が、やけに幻想的に見えた。先生のその瞳はあたしの目を離さなかった。
「…あたしだって、思うよっ。皆とはちょっと違うけど施設育ちだし記憶ないけど、ぼんやり覚えてるみたい…家族っていうか…多分、両親の事。施設の先生じゃない見覚えがない大人が２人、薄らといるの……」
「…え…」
「あたしと同じ赤い髪の人と、蒼いの瞳の人。それしか分からない、けどね。時々…ほんの少しだけ、胸が締め付けられるくらいに会ってみたい、話してみたいって、思う時があるの…脱走までして、って程じゃないけど」
あたしは膝を抱え込んで、先生から借りた寝巻きの袖をギュッと握った。
「でも、会いたいって思う反面ね、絶対に嫌…会いたくないって思う自分も確かにいるの。身体が拒絶するの、震え出すの…全然収まらないの。
もし、もし会ってみて…さ、“会わない方が良かった”、って…思うかもしれない、から」
「……！」
「その人達は何か訳があって、施設に預けたのかもしれ
ないし…あたしがアリスを持ってる事を知って、アリスの子供なんていらないから…捨てたのかもしれない。
どんなに考えても、答えなんて見つからなくて……っ
………だから、すごく怖いのっ」
「…Aちゃん」
───生まれてこないほうが、よかったのかなって…
ポツリポツリと呟くの自分の声は震えてはいたものの、強くはっきりとしたもので。
先生は立ち上がってあたしの隣に腰を下ろした。
「僕には…僕は、Aちゃんが
生まれてきくれてよかったと思ってる。
Aちゃんがこうして生きている事に意味がある。君が此処に居る事に意味があるって僕は思うよ。だからあんまり１人で溜め込まないように。ね？」
鳴海先生はあたしに目線を合わせて微笑みながら、頭を撫でてくれた。嬉しさから抱えていた膝に顔を埋めて、火照りを隠す。
「…鳴海先生もだよ、自分の事はそっちのけ、だもん。
今日の蜜柑の事だってそう。あたし達みんなの事ばかり気にかけて…溜め込まないでね。
それと、今日の事でもう１つ……ひどい事言ってごめんなさい」
あたしは顔を上げ、先生の目を見て言った。急な謝罪に先生は呆気にとられていたが、直ぐに理解してくれた。
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります！ (2020年6月6日 13時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました！！これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…！ (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます！これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2020年4月24日 1時
