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「棗も何で止めんのやー!!」
「…てめーには関係ねーだろ、ブス」
ターゲットを変更したのか、棗くんの元に行った女の子をボケーッと眺めていたのがいけなかった。
「うんうん、いいね。顔が可愛いうえに、胸は発展途上だけど少しある。最高だね」
ピトリ、いや、サワサワとでも言った方が良いのか。
男の子の手があたしの胸あたりを触っていた。
「璃音っ、いい加減にしっ!?!」
「……っつ、!」
流石のあたしでも声は出る。手だって出る。
「なあ、一目惚れって信じる?
俺惚れちゃった。君のこの控えめな胸に」
この言葉で何かがプツンと切れた。
───パチンッ!!!
気づいたら、男の子のホッペを叩いていた。
「…ヘ、変態痴漢男──っ!!!」
まさかあたしの叫び声を誰もが聞いた言葉だったなんて想像もしていなかった。
「あー、痛ってー。まあ、でも顔が可愛いのに平手打ちとかギャップ最高だわ」
「凄い痕だね、何かあったの?」
「聞いてくれー流架、今日来る転校生すげー可愛いよ。そーいえば、棗の事知ってるようだったな」
「…え?棗の知り合い?」
「…知らねー。忘れた」
「え、と…白崎、Aです。
その、よろしくお願いします」
────忘れたものか。あの綺麗な瞳とあいつの言葉を
「よろしくお願いします…っ」
教室に入っておいでって鳴海先生の声で教室に入った。
自己紹介をした途端にスミレちゃんや心読みくん他にも色んな人が周りに集まってきた。
スミレちゃんもアンナちゃんも野乃子ちゃんも、あたしの為に泣いてくれて本当に嬉しかった。
鳴海先生はこの事を予想していたのか、先にあたしの席を教えてくれた。
少し落ち着いて、席に着こうと思って歩き出した。
そしたら、さっきお友達になった蜜柑ちゃんがいた。
隣の席の子は教室に着くまでの間、蜜柑ちゃんが話してくれた発明のアリスで大親友の蛍ちゃん、だろう。
「これからよろしゅーな!Aちゃん!」
「蛍よ、よろしくね。名前呼び捨てでもいいかしら?」
蜜柑ちゃんと蛍ちゃんがせっかく挨拶してくれてるのにあたしの視線は違う人を捉えていた。
「さっきはすげービンタ、ありがとな。Aちゃん?」
「…あっ、あっ」
先程の事を思い出して、自分の体を握りしめた。
あたしに触らないで。そう言いたいのに口が思うように動かなかった。開いた口が塞がらなかった。
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります! (2020年6月6日 13時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました!!これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…! (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます!これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2020年4月24日 1時