018・手紙&脱走編 ページ22
いつも通りの日常を、
いつも通りに過ごしていた。
少なくとも今日は、今日という日は。あたしにとってはいつも通りのつもりでいたけど蜜柑にとってはそうではなかったらしい。
「ええい、うっとーしい」
蜜柑がアリス学園に入学して2週間とちょっと経った。
じーちゃんからの手紙が来なくて、教室で転がっている蜜柑を蹴ったのは蛍ちゃんと心読みくんだ。
じーちゃんって確か蜜柑が学園に来る前に一緒に住んでいたという家族の事だよね。そういえば、黙って家出てきたとか言っていた気がする。
────と、いうわけで。
ホームシックの蜜柑はクラスメイトの音無さんに占ってもらう事にしました。
「蜜柑たら、音無さんに占ってもらうなんてチャレンジャー…よっぽど煮詰まってんのね」
「あたし、音無さんのアリス、初めて見たっ……」
クラスメイトの音無由良さんのアリスは占い。
クラスメイトだけど、年齢は彼女の方が一つ上なの。
彼女のアリスはとてもよく当たる。噂には聞いてたけど凄いダンスで、あの占い方が割と人目につくので彼女に占ってもらう人はあまりいないみたい。
「見える、見えるわ…
佐倉さん、あなたのおじいさんは……」
「何であれでわかるんだか」
10分経過して、音無さんの言葉に蜜柑の胸が鳴る。率直な感想を述べた蛍ちゃんは男の子にツッコまれた。
「今、この学園に来てるみたいよ」
「へっ?!うっそぉ!!何それ」
その言葉に、蜜柑は目を点にして声を上げた。まさかの展開にあたしも目を見開いた。
蜜柑のお祖父さんが学園の正門の前で門番とエンドレスバトルをしている事を知った。これが今回の一連の騒動の発端だ。
「だ…だめだよ、蜜柑ちゃん。生徒は特別許可されない限り、外門付近に近づく事は禁じられてるんだ。やぶると罰則が…」
「うわーんっ、通して通して通してーっっ!!」
「蜜柑、どうどうっ…」
パニック状態の蜜柑は教室の扉の前で暴れる。委員長もあたしを今の蜜柑を止められそうになかった。
「じーちゃんがせっかく会いに来てくれたのに追い返すなんて、ひどいよ番人!怒られたってウチ行くもんっ!
急がな、じーちゃん帰ってまうよ!じーちゃ...」
「まてぃ」
蛍ちゃんは天井から吊るされた紐を引っ張った。
すると、上からガポン…と笊が落ちてきて教室を出ようとした蜜柑を捕獲する。
蜜柑が笊から出ないように、委員長とあたしはその笊の上に座った。
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります! (2020年6月6日 13時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました!!これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…! (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます!これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2020年4月24日 1時