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「蜜柑も蛍ちゃんも委員長やスミレちゃん、皆が美味しいって言ってくれて他の子からも好評だったもんっ」
棗くんに料理が下手だなんて思われたくない。そりゃ、あたしなんかより料理が上手な女の子は沢山いるけど。
でも、あたしだって出来るもんっ。
「…流架が腹壊す……」
「……えっ、」
ひ、ひどいな…。真顔で言われた。
そんな事言われたら、かなり傷つくよ棗くん。でも。
此処まできたら、こんな所でめげる訳にはいかない。
「…あのっ、よ、良かったら、貰って下さいっ、」
「…………」
自分から貰って下さいって言った癖に棗くんの方に差し出されていないクッキーの袋。
そのクッキーの袋はあたしの両手がギュッと握り締めていた。そんな事に気づく余裕さえあたしにはなかった。
「…バーカ」
あたしの頭にポンッと手を置いて、なんかすごい言葉を残して棗くんは去って行った。
「おーいっ、棗！こんな所にいたーってかまだ制服？」
「…棗、何かあった？…あれ、それって、」
「…そのラッピング。
ははーん、Aから貰ったのだろー？」
「…知らね。」
「あ、おいっ…行っちまった」
「…ねぇ璃音。さっき、白崎が言ってたよね。
“クッキーはあげたい人がいるからあげれない”って…」
「ん？ああ…マフィンで良ければ貰って下さいってな」
「…うん、楽しそうに笑ってた」
「はあーっ！！…イチゴのクッキーなんて
可笑しいと思ったんだよなー。いいなーっ、あいつ」
「…白崎は、棗がイチゴ好きなの知ってたんだろうね」
「Aってば可愛いー！抱きしめてやりてーわ！
愛されてんねー、棗。羨ましーっ！」
────部屋に戻ってから、気づいた。
「………ん？……あ、れ？な、無くなって、る？」
教室にいた時は、確かに持ってたはずのラッピングしたクッキーがあたしの手から無くなってた事に。
棗くん、食べてくれてると、いいな……。
翌日。
寮で棗くんとすれ違った時に周りには聞こえないくらいの小さな声であたしにボソッと呟いた。
｢……うまかった｣って。そう言ってくれた。
「なんや今日のAは絶好調やなー！」
「今日の棗君、何時もより穏やかだねー」
その日１日、クラスの子達が言っていた。
Aと棗の機嫌が良いとか、なんとか。それに気づいて
いた璃音と流架はそんな２人を見て微笑んでいたとか。
番外編＿fin.
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります！ (2020年6月6日 13時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました！！これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…！ (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます！これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2020年4月24日 1時
