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「…やっぱり、綺麗…」
さっきより遠いけどそれでも近づいた棗くんとの距離。棗くんの顔を夕日が照らしていた。凄く綺麗な光景で。
「夕日って、紅って何でこんなに綺麗なんだろう…。
燃えるような紅で…眩しいはずなのにね。
見てても全然苦痛にならない。
それにとても、綺麗に輝いてるっ、」
あたしは棗くんがいるのも忘れて思った事を言ってた。忘れていた…
─────……違う。
あたしはもしかしたら、
あたしの気持ちを……。
「…夕日は、なんだか、」
─────棗くんに、似ている。
そう言おうとしたのに出なかった。何だか違う気がした
から。夕日は棗くんっぽい、けど違うな。棗くんは夕日じゃない。
「…あっ、帰らなきゃっ、」
夕日が沈むのは本当に早い。あっという間だった。
暗くなってしまった教室を見て意識が覚醒した。
誰に言うでもなく呟いた。その場を去るつもりだった。
「…お前、ソレ何だよ」
けれど、出来なかった。棗くんの頭に響く心地よい声が聞こえたから。彼の声を聞いただけで、心臓の音がトクトクと高鳴る。
「…えっと、こ、これ、は……」
棗くんが言っていた“ソレ”“と言ったモノ。言うまでもなくあたしが家庭科の授業で作ったクッキーだ。
そういえば、ラッピングした袋に入れて、持って来てたんだった。もしかしたらって思ってたから。
「これ、か、家庭科の授業で作ったんですっ、クッキーとマフィン…マフィンは璃音くんにあげて、あの…」
「Aは何作ったの?ちなみに俺は蒸しパン」
「えっと、チョコのマフィンといちごのクッキーだよ」
「へーっ!2つも作ったんだ、ずげーな!
なぁ、それ。俺にちょうだいっ!」
「……」
こいつ本当に料理出来んのかよ、みたいな目で見られている気がする。気のせいだと思いたい。
…気のせいじゃないよね、誤解を解かないと。
「あっ、る、流架くんにも渡したんだけどっ、お、美味しいって言ってくれたから、その、味は大丈夫っていうか、」
「……る、流架くんっ!」
「白崎、どうしたの?」
「こ、これっ!さっきの家庭科の授業で、作ったの。
良かったら、食べて、くれ、ませんか…っ…?」
「…俺に?いいの、もらっちゃって...あ、りがとう」
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります！ (2020年6月6日 13時) (
レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました！！これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…！ (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます！これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未来 | 作成日時：2020年4月24日 1時
