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「あ、うさ…」
「…えっ、あっ、ウサギさん?」
「…ごめん、白崎…」
あたしの方に来たウサギさんは、確かいつも流架くんが抱っこしてるウサギさんで。
案の定、こっちのコートに流架くんが来た。そんな流架くんの腕を掴んだのは蜜柑ちゃん。
「え──♡♡
ルカぴょん!!ウチに入ってくれるの?!」
さっき無理矢理入れられた蛍ちゃんと、今いつも連れているウサギさん(うさぎん)により捕まった流架くん。
蜜柑ちゃんによって納得していないチームメイト2人が加わった。
「ふーん、面白そう。
そーいう事だからお手柔らかに頼むよーお前らー!」
「蜜柑チーム総勢9人で──す!」
蜜柑ちゃんの嬉しそうな声が響いた。
いつの間にか璃音くんがこっちのコートにいた。しかも何故かあたしと璃音くんの手が繋がっている。
「おい…棗さん、殺気が…」
「チームとしてはやる気になってくれて心強いけど…」
「でも、相手チームにルカ君だろ?もし間違ってでも、ルカ君にボール当てたりしたらどーなるんだ?」
「どうって……棗さんのあのカンジからして、タダじゃすまねーだろ…」
───この勝負、わからなくなってきたぞ…。
うっかりな事できねー……
背後から聞こえた声に、恐る恐る話の中心人物へと目を向ければ怒りのオーラを纏う棗くんの姿があった。
誰かれ構わず潰しにかかりそうなその雰囲気にあたしは思わず身構えた。
「ご…ごめん、棗」
「……」
……アクシデントのせいで1番怒らせちゃいけない人に火をつけちゃったけど、準備も整った(?)ところで試合は開始された。
右側に立つ蜜柑ちゃんは流架君を見ながらにへへへへーと笑っている。
「…何だよ、気色わるい」
「ルカぴょんて何だかんだ言ってやっぱ、いい奴ーって思て!!」
「は!?」
あたしの左隣にいる流架くんに向かって言う蜜柑ちゃんの言葉にあたしも頷く。あたしも流架くんを見つめた。
「流架くんは…友達思いで、優しい人。
渋々でも、こっちに残ってくれたのは、蜜柑ちゃん達やクラスの皆を心配してくれたからでしょ...?
ありがとうっ、一緒に頑張ろうね?」
「……お前も白崎も、何言って…」
ニコリと笑えば、視線を逸らされて。何故と思うあたしを余所にバコンッと鈍い音と高い悲鳴が聞こえた。
「ナイッス、棗さん!!」
「頭はセーフかぁーっ、残念っす!」
「み、蜜柑ちゃんっ!?」
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未来(プロフ) - 唐瓜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!私事ですが、更新が不定期になります。申し訳なく無いですが、これからもどうぞよろしくお願い致します。応援の言葉を糧に頑張ってまいります! (2020年6月6日 13時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - 面白くて大好きになりました!!これからも応援しています (2020年5月27日 23時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです。これからも何卒、気長にお付き合いください^ ^ (2020年5月6日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 話読むごとに学園アリスのストーリー思い出して楽しませてもらいました…! (2020年5月6日 1時) (レス) id: 711d6ac2b7 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - はるかさん» 応援ありがとうございます!これからどんどん更新していくので宜しくお願い致します。 (2020年4月24日 14時) (レス) id: ff0bac3a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来 | 作成日時:2020年4月24日 1時