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第4話 ページ4

「明日?」


「ええ。

(人1)のランドセルを買いに行こうって。

明日の練習が終わってからその足で」


「いいじゃないか。

久々のお出かけになるのだから

買い物だけじゃなくて外食もしよう」


「いいの!?」



父親と母親の会話に目を輝かせる(人1)。

父親は栗色の髪を優しく撫でる。



「ああ。明日は少し早起きして

一緒に母さんの練習見ていような」


「うん!お父さんのお手伝いする!」


「まあ〜!!(人1)が来てくれるのなら

お母さん張り切っちゃう!」



娘を抱きしめて頬ずりする母親。



「約束!ちゃんとお仕事してみんなで遊ぶ!!」


「ああ。約束だ」



差し出された小指を

父親はそっと己の小指と絡めた。


_____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____



「_____Take your marks...」



_____ピッ




最後の笛の音が鼓膜に届くと同時に

ジャンプ台を蹴りあげて入水する。



身体に水が押し寄せるのを受け流し、

前へ、前へと進む。



進む度に苦しくなる呼吸のまま、泳ぎ続けた。



ダンッ_____



力強く触れたプールの壁は鈍く音を立てた。



「アズサ、絶好調だな」


「もちろんよ〜!!

娘が見てるんだから

かっこいいとこ見せたいじゃない?」


「お母さん、かっこいい!!

ビューってお空飛んでるみたい!!」



興奮する娘にピースサインを向ける母親。



「これから復帰の日も近いな」


「ええ。そしたらまた忙しくなるわよ。

...よろしくね?」


「ああ。任せてくれ。さ、上がって。

ちゃんとメンテナンスしないと」



男に促されて、

女、アズサは水から上がった。


_____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____ _ _____



「少し左の肩が張ってるな。

伸ばすぞ」


「はーい」



着替えた後に別室で体のストレッチをするアズサと

その手伝いをする男。



「お父さん。お父さん。テープ持ってきた!」


「ありがとう。

父さんの腕ぐらいの長さに切ってくれるか?」


「うん!」



器用にテープを切ると父親に差し出す。



「ありがとう。それをあと二枚貰えるか?」


「ご注文入りました!」



再びテープを切る(人1)。

その一生懸命な娘の姿にふふふと母親は笑う。



「ねえ、オサム。

あの子、将来何になるのかしら」

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(プロフ) - 柊さん» 柊さん。こんばんは。本作をご愛読して下さりありがとうございます。これからも頑張らせていただきますのでよろしくお願いします。 (2018年12月31日 18時) (レス) id: 4147e5a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2018年12月31日 0時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あーさんさん» あーさん。コメントありがとうございました。更新はお時間頂きますがお待ちいただけたら幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: 4147e5a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - 更新楽しみです (2018年12月2日 10時) (レス) id: cdc17806ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月17日 5時

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