最近よく会うアノヒト２【JK】 (ページ29)

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『グク、携帯ずっと鳴ってるよ』

JK「どうせテヒョンイヒョンだから
出なくてもいいやつ」

充電してあるグクのスマホは
床で布団をひいて寝てる私の
視界に入る。

『テヒョンさんじゃなくて
ナムジュ…ナムジュンさん？
って人だよ？』

JK「えっ、出なきゃ。」

電話に出たグク。

JK「…はい、………あっ、はい、
でもほぼ治りかけっていうか。
大丈夫です。
明日から映像編集しようと思ってて」

仕事の話か。
…こうやって見ると
グクはほんとにアーティストなんだな。

食べ物に目がない
筋トレウサギな一面ばっかりみて
たまに忘れてしまう。

JK「ごめん、新曲の話だった
…えっと、じゃあ、寝よっか」

真っ暗になった室内。

隣のベットにはグクが寝てて。
その隣に私が床で布団で寝てて。

なんか変な感じ。

夜になると余計なことを考える。

グクのことを気になる存在って
言ったけど、
私の中でグクは
もうそれ以上なんじゃないだろうか。

一緒に〇〇ランドに行ったとき、
グクから差し出された手を
わたしは躊躇しないで
握って前へ
歩いた。

会いたくなったら
口実をつけてでも
こうして会いに来た。

それってもう
わたしは十分
グクに
恋をしてるって
ことなんじゃないだろうか。

布団の中の温度が異常なほど上昇する。
落ち着くんだ、わたし。

布団からはいつも
自分が嗅いでる
自分の柔軟剤の匂いじゃなくて
グクの使ってる柔軟剤の香りがして。
当たり前か。
グクの家にいてグクの布団
貸してもらってんだから。

………私、今日寝れるかな。
眠れなくない？

JK「…A、もう寝た？」

『…………ねて、ない、けど？』

JK「俺の風邪が治ったら
ちゃんとデートしよう。」

『デート？』

JK「こないだのはデート(仮)でしょ。
ちゃんとしたデート、しよう。」

断わる、理由が、ない。

それに私もグクに
本気の私を見せられずにいる。

いつもパジャマ、部屋着、
すっぴん、寝癖の頭のわたしばかりを
グクに見せている。

本気を出せば
ちゃんとした女だということを
グクに知ってもらういい機会だ。

『いいよ。デートしよう。』

JK「…やったぁ、」

『ってか病人は早く寝なさい』

JK「眠れないよ。
俺の横には好きな人が寝てるんだよ？」

『………まぁ、よく、そんなことを、
スラスラと言えるよね。
おやすみ。』

突き放すようにおやすみと言うと、
ちょっと遅れて
グクのおやすみ、
という小さな声が聞こえた。

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