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『汗かいてるよ』
金槌でグクが釘を打ってる最中、
私は冷水で固く絞ったタオルを
ちょこちょこグクの額に当てて
汗を拭き取った。
グクは照れ臭そうに
ありがと、って私に言う。
なんか調子狂うな。
そんな私達の姿をみて
ニヤつくおじい。
何が言いたいんだ、まったく。
JK「終わった、」
『うん、じゃ、スイカ食べよ』
キンキンに冷やした
スイカをカットして
グク、おじい、私で
縁側に並んで食べた。
グクはスイカを
食べるというより吸引する勢いで
次々食べていく。
そんな急いで食べなくても
誰も取ったりしないのに。
「孫になぁ」
『うん?』
「あのぉあれだ」
『全然わかんないけど』
「百貨店の抽選のやつなぁ、
当たったって言って
ペアチケットくれたんだわ。
なんとかランドの。」
JK「なんとかランド行かないんですか?」
「孫は今年受験だって言って、
ワシにくれたんじゃろうけど。
ワシが一人で行くわけないじゃろうが。
だから2人でいき」
『………え?だれ?2人って』
「ぐぅとAちゃんに決まっとるわ」
………私と?ぐぅが?
なんとかランドに?行くの?2人で?
「デートじゃデート。」
楽しそうにいうおじい。
固まる私とグク。
『デートってさ、私達、
そーゆーんじゃないし」
「もったいないからちゃんと使い」
.
.
.
JK「…ま、ね?もったいないし、
せっかくだし、
中々タダで行けるもんじゃないし」
『…だね?2人で遊びに行く機会なんて
今までなかったしね?』
え、沈黙。
「若いのぉぅ」
真ん中でニコニコするおじい。
他人事みたいな顔しないでよね、ほんと。
.
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2020年5月23日 23時