最近よく会うアノヒト１【JK】 (ページ26)

今日:26 hit、昨日:19 hit、合計:419,618 hit

26. ページ26

『じゃ、帰るね。ワインご馳走さま』

酔ってるからこのまま泊まれば？とか
一緒に寝よう？とか
そんなよくある流れは
私とグクの間にはない。

JK「うん、また来てね」

グクはすんなり私を帰すし
私はすんなり隣の自分の家に帰る。

ほろ酔い状態で
ベットに横になると
私は中途半端な時間に
爆睡してしまった。

起きたのは夜の９時っていう
また中途半端な時間で、

窓を開けると、
もう雨は止んでて
でも雨の匂いがした。

肺いっぱいにその空気を
入れると、
グクの家の方から声がする。

あ、さっき会った時に言えばよかった。

窓全開にしてたら
お隣さんに話してる内容筒抜けだよって。

JK「ヒョン、なんで僕の住所
知ってるんですか」

「えへ♪ 来ちゃった」

JK「…来ちゃった、じゃなくて」

「泊めてよぉ、
俺今彼女に追い出されてて
帰る家ないの。」

JK「浮気なんてするからですよ」

「他の女の子と寝ることが
浮気だなんて知らなかったよ、俺。
たった一回だよ？何回もじゃないのに。
おかしくない？」
　
JK「…最低です」

「悲しいよ、ヒョンは。
お前はメンヘラで
俺はいい加減で。
きっと一生分かり合えないね、俺ら」

…………なんかすごい会話聞いちゃったな。

酔い覚ましにベランダに出ようと
思ったけど辞めたわ。

とりあえず、
ベランダで育ててるトマトだけ
ササッと家の中に取り込んで
窓閉めよ

『…………え、』

なんということか。
グクとその男性はベランダで話してた。

いや、そりゃ
会話筒抜けだわ。

目がガッチリ合う。

『こん、ばん、はぁ～』

私の魂の抜けた挨拶に
キョトンとする2人。
てか、イケメンはイケメンを呼ぶんだな。

グクの隣にいる人
国宝級なイケメンさんなんだけど。

トマトの鉢持って
固まってる私恥ずかしい。

「もしかして聞こえてた？今の会話」

国宝が私に話しかける

『あ、いや、………まぁ、はい。
でも、大丈夫です。よ。』

国宝は口を四角にして
子供みたいにケラケラ笑う

「もしかしてこの子か」

JK「ヒョン、やめて」

「んー？なぁにー？よく聞こえないなぁ？」

JK「部屋の？中に？入りましょう？ね？」

グクがものすごい形相で
国宝に言う。

「マイネームイズ、テヒョンです。」

『え？あ、はい？』

TH「また会おうね、Aちゃん」

グイグイと強制的にグクに
背中を押されたその人とグクは
部屋の中に戻っていった。

ん、？
なんで私の名前知ってるんだろ、あの人。

.