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また雨かよ、
って思いながらカーテンを開けると
見たことある虹色の傘を持つ男性。
私の心は
２ミリくらい縮んだ。
私がこのマンションから
出られない理由。
ここには
この部屋には
思い出が染み付いてるから。
私はきっと手放したくなくて
誰にもここを譲りたくないんだと思う。
ピンポーンっ
小さい穴から覗くと、
金髪にパーマ、丸メガネのジミンがいた。
ギュって抱きしめたくなるのは
きっと気のせい。
扉を開けると
久しぶり、元気だった？
って間延びした柔らかい声で聞いてくる。
『どうしたの、急に』
JM「荷物、取りに来た」
ジミンの荷物はまだ私のクローゼットに
入ってる。
『あー、そういうことね、』
会いたくなったから、
とか言ってくれないんだ。
期待した自分が馬鹿みたい。
JM「あと、これ。シュークリーム。
好きでしょ？
美味しそうだったから駅で買ったんだよね」
クシャって笑うジミン。
私達別れたんだよね？
なんで優しくするの、ジミン。
ガチャ。
そしてこのタイミングで
隣の家のドアが開く。
真っ黒のスウェットのフードかぶって
真っ黒の傘を持って
出かけようとするグク。
グクは私とジミンを
一瞥して一瞬だけ固まる。
丁寧に頭を下げて私達の前を素通りした。
虹色の傘をもった金髪のジミン
真っ黒の傘を持った黒髪のグク
二人は真反対だな
なんて場違いなことを思って
気を紛らわせる。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2020年5月18日 22時
