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Sha side
＿＿＿＿＿＿＿
あぁ、なんや
シャオロン
「見てたん」
アヤが、トイレに行った
なので近場にある窓際で紙パック入りのジュース吸って待っていのだが
隣からロボロが来て言った
あの夜のこと
シャオロン
「おまじないや、おまじない」
ロボロ
「おまじないがキスってどこの御伽噺や」
シャオロン
「……せやなぁ…けど、御伽噺でええねん
姉と弟が二人で幸せに暮しましたで、ええんや」
それ以上の幸せは求めていない
だがそれにロボロは渋い顔をした
ロボロ
「…そ」
何を言うでもないらしい
なら少し、話してみる
シャオロン
「俺な、胎内記憶ってもんがあんねんな
忘れもしないぐらいに、鮮明に残ってる記憶
…暗くて、寒くて、ありもしないと思えるぐらい使い方もわからない体の全てが内側からも外側からも痛かった
多分俺は死ぬんやって、言葉も知らない俺は漠然と命の終わりを感じた」
死んでないやろ
ロボロはそう言った
そう、死んでない
俺が今ここにいるのは確かなこと
シャオロン
「一緒に、アヤが居ったからな」
意味がわからないと言いたげにロボロは顔を顰めた
分からなくて当たり前や
分からなくていい
これは俺だけの、アヤとの記憶
シャオロン
「アヤが、アヤが居たから俺は暖かくて…安心して育って…生きていられた」
でも………
汚い音を立てて、左手にあった紙パックが潰れて中身を噴き出した
シャオロン
「…アヤは先に産まれた
それから俺が産まれて会えるまでの間、文字通り死にそうなくらい寒かった」
痛くて、言葉を知らない俺は痛みと寒さに泣き続けた
人間に、殺されかけたようなもんで
俺は何とか生きながらえた
その話は、親すら知らないけど
シャオロン
「今でも、置いて行かれると寒くて痛くて…怖い
だから俺の神様を取ることは、例え誰であっても許さん
アヤが俺を置いてくんもあかん」
ロボロ
「心因的なもん？」
シャオロン
「魂的なもん
…アヤは、俺から離れても…何ともないみたいやけど
俺はこんなに、愛してるのにな」
今は、離れないから大丈夫だとして…
何年先もまた怖い
冷たい指先が見えない先の恐怖に震える
ロボロ
「なぁシャオロン」
シャオロン
「ん？」
ロボロ
「軽蔑も何もせんけど…お前は狂ってるんやな」
シャオロン
「俺には……分からん、…けど…」
姉を大事にするのは弟として普通のことやない？
終幕
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ぎお - これがホンマの兄弟愛ってやつでしょうか（多分違う）このような作品大好きでして、神でした・・・ぁりがとうございます!!!!! (2023年3月30日 0時) (
レス) @page11 id: 1e15dc8a80 (このIDを非表示/違反報告)
音ぅ(プロフ) - 新作待っておりました！！今回も素晴らしい作品の予感……更新ありがとうございます！ (2022年1月22日 19時) (レス) id: 5edc641ad4 (このIDを非表示/違反報告)
相田(プロフ) - 警察は呼ばれないのですか？ (2022年1月22日 8時) (レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - 近親愛狂信shaとても良かったです……細部までこだわっていらして流石だと感じました……素敵な作品をありがとうございます！ (2022年1月22日 0時) (レス) @page11 id: 998524a2ed (このIDを非表示/違反報告)
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