跡部様はヲタク女子を落とすのに必死だそうです【跡部景吾】

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貴方『りこん？』
母『うん、だから...もうお父さんには...』







Aの母は申し訳なさそうな顔をしていた



まだ幼い頃の私に突然突き付けられた事実だった








この時、Aはショックを全く受けなかった訳じゃなかった、だが、父は傲慢なとこも多々あったせいか、不思議とあまりショックを受けていなかった






それよりも私は離婚をする意味がわからなかった







なんで好き同士で結婚したのに離婚なんてするんだろ





何年か経ち、小学5年生になった






『永遠の愛を誓い結婚します。結婚することは、とても幸せなことでお互い相手のことが大好きだから、私達は結婚します。』






なんの授業かは忘れたが、先生がそう話していた





だが、【幸せ】という言葉に【結婚】はAの中でどうしても繋がらなかった




なぜなら父と結婚した母は段々喧嘩が多くなっていったし、挙句の果てには離婚してしまった




幸せそうにはとても見えなかった






『すぐに結婚は無理ですが、ゆっくりでもいい素敵なパートナーを見つけて、将来幸せな家庭を築けるといいですね』






先生の中での結婚はそうかもしれない、でも私の中の結婚はマイナーなイメージでしかないし、恋愛に対してもあまりいいイメージを持っていなかった





そんなとき、Aはたまたまゲームのポスターで見かけた男の子を見つけた





貴方『ねぇ咲夏、すごくこの子かっこよくない？』
藤宮『この子...って、まさかこの絵の子のこと？』





この頃から少しづつ2次元に飲まれていった





誰かの別れ話を聞く度に、なんでそんな時間の無駄なことをしてるんだろうと思ってしまう。





2次元なら誰にも裏切られることもないし、ましてや乙女ゲームなら恋愛なんていくらでも楽しめる






いつの間にか、私は1度もリアルで恋愛をする機会を自分から失うようになっていた






そこでふと跡部の後ろ姿がAの目に映った







貴方「.....跡部...くん？」







Aは目を覚ますと肩に跡部の額が肩に乗っていた、どうやら寝ているようだった








貴方「あ...そういえば寝ちゃったんだ」
跡部「...ん」






跡部はモゾモゾと動くが起きる気配はない







貴方(時間は沢山あるし、寝かせてあげよう)







Aは後ろの跡部に持たれそっと自分の目尻に触れる








貴方「あれ？...なんで涙なんか...」








そのとき、Aの指に触れたのは自分の涙だった

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