2__双子_g(微グロ、結合双子注意) ページ4
僕と彼女はいつも一緒だった。
大好きな双子の妹。
話しかけるとこてんと首を傾げる可愛い妹。
僕と妹は、繋がっていた。物理的に。
腹部が結合しており、肝臓を共有していた。
勿論、僕らを奇怪な目で見る人もいた。
人間はやたら「普通」に固執する。
世間一般。大衆。大半。多く。平均。
少しでも外れれば「変なもの」。
笑うのが、気持ち悪がるのが普通。
普通の人はその「普通」に守られるけど、「変なもの」は攻撃される。
普通に囚われて、支配されて、守られて、立派な主従関係が出来上がっている。
生まれた時からずっと。
人間として生きるなら、死ぬまでずっと。
僕ら双子は見た目のせいでよく虐められた。
変な目で見られた。
怪物だと。異常だと。気持ち悪い、死んでしまえと。
石を投げられたこともある。蛇を投げられたことも泥をかけられたことも蜂を掴まされたことも。
だから、逃げた。
苦しいから。自分が気持ち悪くて、惨めで、嫌で仕方なくて。
生まれて十数年経って、手術して、終わって、成功だって言われて、1人になって、静かになって、あれ。
こんなことしたかったんだっけ。1人になりたかった?孤独?孤独は嫌だな。
普通になりたかった。普通?普通ってなんだろう。普通は、普通。普通の人はこんな寂しさは感じないだろう。こんな虚しさは感じないだろう。普通。これは普通。じゃない。普通じゃない。普通じゃない!
殆ど無意識に、自分の傷口を抉った。本能で。中にいるこれは、中にあるこれは、僕だけのものじゃない。君も。君のもの。僕が持ってちゃ駄目だ。傷口に痛みは感じなかった。僕はもう死んでいるのかな。ああ、それとも夢ならばどんなに良かったことか。
まだ、生きてる。息をしている。はっきりと自分の呼吸音が聞こえて嫌になる。いつもいる君がいない。君の呼吸音は聞こえない。ひとり。ひとりだ。ひとりぼっちだ。虚しさで死んでしまいそうだ。寂しさで死んでしまいそうだ。
ぐちゃぐちゃの中から、あった、見つけた、僕らの、2人のもの。
手も、お腹も、床も、飛び散って、真っ赤。
血管をちぎって、繋がりを引き裂いて、赤黒い物体をそっと抱きしめた。
愛おしい、妹と、僕の共有物。
ごめん、ごめんね、と、喉から溢れる生臭い赤で謝った。
ずっと、ずっと、多分、これからも、
囚われているのは僕だった。
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ggrks(プロフ) - シオさん» ありがとうございます、、!!嬉しいです!更新は遅いですが打ち切りの予定は無いのでこれからもゆったりと見ていただけると幸いです、、! (2019年4月8日 21時) (レス) id: 1f924073bd (このIDを非表示/違反報告)
シオ - これはエモい…物語を書く人達の目線を違う角度で表すとても素晴らしい作品だと思いました (2019年4月8日 7時) (レス) id: ca90702e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/akanoshiro/ 作成日時:2019年3月16日 20時