激情のバーサーカーｰｰ１ ページ33
side：A
この話をするのは少し抵抗がある。
だって、悔しい過去を思い出すから。
でも、話さないといけない。
『私が遠い昔に赤い髪になったのは２回。エル…ランサーが死んじゃった時と、だめが…イシュタルと１対１で戦ったとき』
どっちも嫌な記憶。
忘れたい。
でも忘れちゃいけない。
『結局私はイシュタルには負けたんだけども、それは置いといて。
私が赤い髪になるのには条件があるの』
「条件？」
『うん。どうしようもない位の激情に襲われた時になるんだ』
「…と言うと？」
う〜ん、そうね…
『どうしようもない位悲しい、どうしようもない位怒ってる、どうしようもない位焦ってる…とかかな。で、今回のは焦ってるバージョン』
エルルンの時は悲しみ。
イシュタルの時は怒り。
ギルギルの時は焦り。
なあんだ、やっぱり私はウルクから離れてないじゃん。
今となっては嬉しいけど。
「なんで焦ったんだ？」
『…私、千里眼を持ってるんだよね。このホワイト君経由で使う物を昔、あのアーチャーに貰ったものだけどね。で、1年前に冬木で行われた第４次聖杯戦争の時に彼はバーサーカーに向かってこう言ったのを見たの』
ｰｰこの、狂犬めが！！
『バーサーカーは狂犬。つまり、私も狂犬。
…好きな人に狂犬なんて言われたくなかったから隠してたんだけど、ばれちゃって、焦ったんだ』
「む？余達の時は髪は赤くならなかったではないか」
「た、確かに…言ってることと矛盾してる」
『…だぁってぇ、あのときはぁ、自白したしぃ？』
「どうした、姉上…？」
『いいじゃぁん、べっつにぃ〜』
「…それは置いといて、あのアーチャーにばれたから焦って激情バージョンになったと」
『そーいうこと。で、大事なのはここから』
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作者名：わい型のきのこ | 作成日時：2017年12月13日 3時
