今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:157,541 hit
小｜中｜大
英雄王と聖杯少女ｰｰ２ ページ24
side：ギルガメッシュ
「……誰も見ておらぬな」
変装は完璧…の筈だ。
以前Aと２人で行ったお忍びデー…違う、城下町の視察に行ったときと同じ格好だが、
ｰｰまぁ黄金を外して、ギルギルの自称美しい金髪を隠せばなんとかなる！
と言っていたあの女の言葉を今は信じよう。
こっそり神殿から出る。
「確か、あの辺りであっ…だったな」
口調も外にいる時は気を付けろ、と言われたことを思い出す。
全く、注文が多い…まあいい、許す。
それより今はあの小娘だ。
なんなのだ、あやつは。
飢えた民に食物を与え
見ず知らずの雑種に安産を祈り
遊べと言われれば全力で遊び
共に遊んでいた雑種共の１人がこけるとそこに触れ、
瞬時に怪我を治すなど。
まるで、人の願望を埋めるための道具のようではないか。
「………フッ」
俄然、興味が湧いた。
数メートル先にいるあの小娘を見る。
なんともまあ飽きもせず、また人の願いを叶えている。
「おい」
「はい、なんでしょう」
「少しこっちへ来てくれ」
「…分かりました」
案外すんなり…いや、人の願望を叶えているのだ、確かに着いてくるか。
「ええと…？」
「ここなら人はおらんな。
貴様、我の従者になれ」
「従者、ですか」
「ああ。我はこの国の王、ギルガメッシュである。貴様、名をなんと申す」
「…名前はありません。
ただ、"大聖杯"と名乗っておきます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わい型のきのこ | 作成日時：2017年12月13日 3時
