L D H 大 学 病 院

貧血 ページ3

ギュッと目を瞑っていても
一向に治まらない。




あ『うぅ…』




こんな寒い日にわざわざ
中庭に来る人などほとんど居ない。




どうしよう…。




急に不安が襲ってきて
涙が溢れる。




あ『うっ…っ…誰かぁ』




こんなか細い声が誰かに届くはずがなく
人が来る気配はない。




取り敢えず、病室に戻ろう。
そう思いなんとか立ったものの



ズサッ…





脚に力が入らずその場に
倒れ込んでしまった。




あ『先生っ…』




意識が薄れてきたその時。




臣「A！！
大丈夫か？何処も打ってない？」




登坂先生が駆けつけてくれた。




あ『コクッ…』




臣「貧血かな？
びっくりしたねー、ほら泣かないの
息苦しくなっちゃうよ？」




あ『っ…誰も来てくれないと…思った…』




臣「そっか、そっか
でも、もう大丈夫だよ」




あ『うん…』




臣「はい、背中乗って！
病室戻ろうか」




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