【夕闇】ハートビートは鳴り止まない【短編集】

k．君の嫌いな ページ12

翔太さんと付き合い始めて、数ヶ月が経った今でも、


私はさん付けだし、向こうはちゃん付けだし、カップルって呼び捨てで呼び合うものかと思っていたものだから、少しショック。




小｢Aちゃん何食べたい？｣


｢なんでもいい、です｣




なんで敬語なんだよ、と笑う翔太さんの笑顔を横目に、手を繋いで歩くカップルを見て羨ましいな、なんて。





結局いつものファミレスでご飯を食べた。





｢翔太さん、帰りたくない｣





なんとなく、このまま別れるのが嫌で、つい言ってしまったこの言葉も、





小｢明日も大学あるんだろ、早く帰りな｣





そんな理由で、かわされてしまった。








｢ねえ｣




小｢ん｣





｢早く、オトナになりたい｣





小｢ふーん｣







私がそう思う理由が自分だってことも知らずに、呑気に歩いている翔太さんに、少しだけ腹が立った。




ベタベタくっついたりするのが嫌いなのも、めんどくさい女が嫌いなのも、知っているのに。



どんどん自分が、その翔太さんの"嫌いな人"になっていってしまう。







小｢おい、何泣いてんだよ｣




｢こういうめんどくさい女嫌いなんだよね、呼び方に距離感感じてたり、手繋いでくっついてるカップル羨ましがったり、｣





嫌われちゃったらもうおしまい、今日でサヨナラなのかな、


君が嫌いな女が考えそうなことを、考えてしまう。




けど、








小｢お前だから、壊したくないから、大切にしたいって思ってるから、｣








あーなんて言えばいいんだよ、分かるだろ、と頭をがしがしかきながら、顔を真っ赤にした君を見たら、









君のことも、自分のことも、もっと好きになれた。









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順位更新されました、、2桁、、(T_T)


本当にありがとうございます、頭上がりません、まじで。


朝起きたら作者ランキング(？)にも入っていて、本当にビックリしました。


これからもよろしくお願いします。

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