親愛なる貴方へ愛憎渦巻く紅炎を=3 (ページ10)

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私にとって見つけてもらう事はページ10

実はね、入試の実技、私達同じ試験会場だったの。

すごい大活躍してる子がいるなーって、こういう子は絶対受かるんだろうなーって、Aちゃんが0Pロボットを壊してるのを見て思ったよ。

その後、まだ残ってた3Pを見つけて、壊したんだけど……直後の終了の合図で油断してね。ロボットの残骸に潰されちゃった。

重くて持ち上がらなくて、しかも足を挟んだみたいで動けなくて、助けを求めたの。

でも、誰も気づいてくれなかった。

まぁ当然だよね、皆クタクタで周り見る余裕はないし、プレゼントマイクは話してるし、透明で見えない部分しか残骸の外に出てなかったんだもん。

見つけられないことには慣れてるから、何も思わなかった。ただ何もしないのも悔しいから、声を出して、コンコンって叩いて合図してたの。

疲労で声枯れてるし、力も入らないから音も小さかったんだけどね。

諦めてたよ。でも、

『ヨイショっと。ねぇ、無事？動けそう？』

あの活躍してたかっこいい子が、私を見つけてくれたの！残骸を持ち上げて、手を差し伸べてくれた！

「あっありがとう！」

『んー、いいよいいよ、大きな怪我がなくて何より』

その時名前、聞き忘れちゃって、帰る前に声かけようとしたら、心操くんに先越されちゃった。そのまま仲良くなってて、心操くんが羨ましかったー！！

だからね、同じクラスですごく嬉しかった。
すぐ話しかけたかったんだけど、爆豪くんとの掛け合いが怖くて……

あのね、それだけじゃなくて戦闘訓練の時のこと、覚えてる？

そう、轟くんの氷で凍えて……私が震えてると、コスチュームを貸して羽織らせてくれたよね。すっごく、暖かかったよ。

あとはマスコミ事件！

透明な分、頭1つ小さくなるから、やっぱりあの人混みだと見つけてもらえなくて。

なのにマスコミにはロックオンされてるから逃げられないんだよ！？あんなに悲しいことはないよー、でも

『あーすいません、そろそろ始業なので〜』

手を掴まれた。また助けてくれたのは、颯爽と見つけてくれたのは、Aちゃんだった。

＊＊＊

『私は、そんな素晴らしい人じゃないよ。大したことしてないし……私がやらなくても、他の誰かがやっていた。私であった意味はない』

透の中の私と現実との差で更に落ち込んだ。でも、透はそれすら一笑した。

そうだとしても、あの時私を見つけてくれたのはあなただよ。
でも、そうだね。ここまでかっこよすぎると、逆に親しみにくくなるかもね。ハハ！