【現パロ金カム】紅影 (ページ13)

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第十一話ページ13

「というかさぁ」

「？」

仕方が無いので、二人で森の中を歩いていると、白石が頭をかきながら話しかけてきた。

尾形はそんな白石に目を向ける。
その顔はとても疑問に溢れている表情だった。

「俺たち、今まであったことない？」

「いや、初対面だろ」

「だよね。
でもさ、今朝の夢で尾形ちゃんを見たような･･･ないような」

「･･･」

尾形は考え込んだ。
まさか、こいつはあの時夢で見た小物感溢れる彼奴なのか。

確かに話し方も身振り素振りも同じだ。
いや、でも現実的に考えて、夢が他人と共通してるなんてことありえない。

「それは、どんな夢だった？」

尾形は白石に問いかける。
白石は一瞬驚いたような顔をしたが、答えてくれた。

「俺と尾形ちゃんと、そしてあと二人。1人は女の子だったかな？」

「女の子？」

「うん。その四人で丁度この森みたいな所で話してるの」

「へぇ」

尾形は再度考えた。
同じだ。
俺はこいつと同じ夢を見ている。
本当に夢が関係しているのか。

いや、まさか

「でさ、何でそんなことを聞いたの？」

「･･･いや、俺も同じ夢を見ていたような気がしてな」

「ええっ！？同じ夢？嘘ぉ･･･」

白石は大袈裟に驚く。

そこまで驚く事でもないだろう
いや、俺がただ無情なだけなのか。

「なら、その夢が関係してるかもってこと？」

「さぁな。確証は持てない。
そもそも、そんな非現実的なこと信じれる訳ねぇだろ」

「だ、だよねぇ。一瞬期待しちゃったよ」

白石は縮こまってそう答えた。
尾形はそんな白石の格好をよくよく見ると、近くの工場の制服だと言うことが分かった。

そして異様に濡れている。
あの崖から川には落ちていない訳なのだからここまで濡れているのはおかしかった。

「お前、工場で働いていたろ」

「え、なんで知ってるの？」

白石は驚いた表情をした。
そして、尾形は続ける。

「制服が」

「あぁ、これ？仕事帰りだったからなぁ。
もしかして･･･ご近所さん？」

「頭の吹き飛んだ社長が経営している会社で働いている。噂ぐらいは聞いた事あんだろ」

「ああっ！！あそこの会社！？」

やっぱり。
社長の人柄は好きではないが、こういう時にとても役に立つ。

白石は不思議そうな表情で一つ疑問を尾形に聞いた。

「なんで頭が無いの？」

「事故だったか、何だったか･･･」

「へぇー、事故であんなになるもんなんだねぇ」

その後しばらくその社長の話で持ち切りとなった。