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You SIDE
あの夜。
2年前の、あの夜。
私がよんべくんにキスをしたら
魔法が解けたみたいに意識を手放した。
次に目が覚めた時は
泣きじゃくる両親がいた。
看護師さんやお医者さんであろう人たちが
忙しなく動いてる。
全部夢だったんだ。
唇に残るよんべくんの感触は今でもまだ残っているのに。
なんて、幸せで
なんて、残酷な夢。
涙が溢れて止まらなかった。
お父さん、お母さん、ごめんなさい。
あのまま夢の中にいたかった。
あとから聞いた話。
奇跡的な生還だったみたい。
4ヶ月もの間意識不明だったのに
障害も残らず1ヶ月ほどで退院できた。
今頃彼らはお国の責務を果たしてる。
彼らの中できっと私はいないものになってる。
全部元通り。
私だけがもう元に戻れない。
この寂しさを背負って生きてくには
あまりにも辛すぎるから。
さよなら、よんべくん。
そう思って2年間がむしゃらに働いてたら
早く結婚して早く孫の顔みせて
ってしつこく両親に言われるけど
忘れるなんて無理な話だったみたい。
2年間、
彼らの音楽を絶っても
今でも鮮明に声が思い出せる。
笑った顔も、寂しそうな顔も。
よんべくんの唇も。
もう病気。
夢だったのに。
もうそろそろ彼らは兵役を終える頃。
もうそろそろきっと彼らは日本に来る。
わざと仕事を山積みに詰め込んで考えないようにしてた。
あぁ、今日は彼らのカムバックライブだったんだって
気付いたのは仕事が終わって家までの帰り道
彼らのグッズに身を包んだ幸せそうな女の子たちを沢山見かけたから。
家に帰る途中だったのに
そのまま帰ったらまた泣きそうになるかもしれないから
小さなバーに入った。
日付も変わって店を出たら
誰かがぶつかってきた。
間違えるはずない。
香水とはまたちがうこのにおい。
太陽みたいなあったかいにおい。
ぶつかった衝撃で転んだわけじゃないの。
足に力が入らなかったの。
「あ、ごめんなさい。」
そう手を差し伸べてきたその指を違えるはずない。
でも、やっぱり彼には私がわからないみたい。
やっぱり、夢だったみたい。
でも、でもね。
現実で会えてしまったなら
諦めるなんてもう無理難題。
どうか思い出して。
どうか見つけ出して。
タクシーに乗って告げた行き先は
夢の中で知ったいつもの彼らが泊まるホテル。
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homie.(プロフ) - couさん» 最後までお付き合いくださってありがとうございますm(_ _)mとても励みになります！ (2017年8月24日 12時) (
レス) id: 1f5947a71e (このIDを非表示/違反報告)
cou(プロフ) - お見事でした！いつもひきこまれます♪他のも楽しみにしております！ (2017年8月24日 8時) (レス) id: 9901c9b5bb (このIDを非表示/違反報告)
homie.(プロフ) - couさん» ありがとうございますm(_ _)m更新サボり気味でごめんなさい。こちらはずばばーっとがんばりますので最後までお付き合い頂けたら幸いですm(_ _)m (2017年8月19日 17時) (レス) id: 1f5947a71e (このIDを非表示/違反報告)
cou(プロフ) - すごくおもしろいです。どのお話もすごく好きです。 (2017年8月18日 16時) (レス) id: 9901c9b5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：homie.
| 作成日時：2017年8月17日 0時
