番外編30話 奪還作戦（2） ページ6
続いてアンケシさんが俺の口に布を巻き、軍帽を下にさげさせた。
アンケシ「Aは知り合いが多いだろうからな。その目立つ外套も駄目だ」
A『え。これ駄目なの？』
アンケシ「そんな真っ黒な外套を着てるのは貴方くらいだ」
杉元「確かに・・・・この季節に黒い外套を着る奴はいねぇわ」
俺は渋々外套を脱いだ。
アンケシ「あとその軍服。それも駄目だ」
尾形「ガッツリ少尉の服を着てるからな」
杉元「土方がお前にこれをって」
杉元がそう言ってブカブカの外套を渡してきた。
アシﾘパ「それ、松崎が着た上で私とアンケシも入れそうだな」
杉元「えっ みたい！！」
杉元が俺に外套を着せる。
アシﾘパがノリノリで入ってきた。
アシﾘパ「松崎お前・・・いい匂いするなぁ」
A『嗅ぐな』
アンケシ「どれどれ〜」
A『だから嗅ぐなって』
アシﾘパとアンケシさんが中でモゾモゾと動く。
A『ちょ・・・あははッ・・・こちょばしいって！』
杉元がジーッとこちらを見てくる。
杉元「俺も！！」
A『お前は無理だッ！！』
杉元の勢いで俺たちは思い切り床に倒れた。
アシﾘパ「
いきなり走ってくるな！！」
杉元「ごめーん」
アンケシ「A大丈夫か？！」
A『バカ元サの字が』
アシﾘパとアンケシさんが急いで俺から離れる。
杉元「怪我ないか？」
A『あぁ』
たんこぶが出来た気がする。
キロランケ「騒がしい奴等だなぁ。まったく」
尾形「楽しそうでなによりだ」
百が呆れたように呟く。
キロランケはふたりの少女と杉元と俺を、優しい瞳で映していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年12月13日 12時
