番外編30話 奪還作戦（1） ページ5
ASide
白石を奪還するべく作戦を立てる。
A『鈴川は典獄に化ける』
鈴川「おう」
A『杉元はその部下だ』
杉元「わかった」
A『俺と杉元と鈴川で兵舎に入り白石を奪還する』
杉元「反対！」
杉元が挙手をしながらそう言った。
A『却下』
杉元「白石を取り戻してもお前が奪われちゃ意味ない」
アシﾘパ「私も反対だ。お前は金塊の鍵なんだ。
囮には使いたくない」
A『いや囮になるって言ってないし』
杉元とアシﾘパが「え」と声を揃えた。
杉元「なんかAって大抵無謀な作戦考えるじゃん」
アシﾘパ「そうだ。何かあったらすぐ自分を犠牲にするじゃないか！」
A『あのなぁ・・・俺だって馬鹿じゃない。無謀な作戦を立てたわけじゃないんだぜ』
アンケシ「・・・・確かにAは無茶ばかりするけど。馬鹿じゃない」
アンケシさんが口を挟んできた。
アンケシ「【不死身のヒグマ】と対峙したとき。Aの作戦のお陰で脱出できただろ？」
「きっと・・・失敗はしないと思う」
A『アンケシさん・・・・・』
百が俺の隣に座り、呟いた。
尾形「日露戦争でもコイツの指揮は的確だった。死人だって出ていない・・・まぁ殆ど自らが最前線で戦っていたお陰だろうがな」
杉元がう〜んと首をひねる。
アシﾘパ「・・・そうだな。松崎のことだし上手くやってくれるか」
アンケシ「うん」
俺は話を戻した。
A『キロランケ達は外で待機。
逃げるための馬を用意しておいてくれ』
キロランケ「わかった」
A『それで・・・アシﾘパとアンケシさんも待機だ』
アシﾘパ「・・・・・・え」
アンケシ「なぜ」
A『二人に何かあったら困る。
それにどんな危険があるか分からない。
連れていけない』
俺は抗議の視線を向けてくる少女二人を無視して話をすすめる。
A『百は非常事態が起きたときの援護を頼む。なんとか乗り切れそうなときは何もしなくていいから』
尾形「・・・・あぁ」
俺は他に準備すべきものを土方に伝えお使いを頼んだ。
ーー
アンケシさんが裁縫道具で衣装を作っている。
杉元「それは？」
アンケシ「二人の顔は知れ渡っているだろうからな。顔を隠せるようにだ」
アンケシさんがそう言って杉元の顔に布を被せた。
アンケシ「目の位置と口の位置だけ切り取って・・・どうだ？」
杉元「おおぉ・・・なんかおっかねぇな」
アシﾘパ「杉元じゃないみたいだ・・・」
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年12月13日 12時
