番外編42話 見舞い（2） ページ25
月島「・・・意外ですね」
鯉登「なにがだ」
月島「いえ、てっきり仲が悪いと思っていたので」
「もしかして・・・同情されているんですか？」
鯉登「バカタレ。私がこんなヤツに同情するか」
月島はフッと微笑むと「花まで持ってきてるのに？」と言ってきた。
鯉登「・・・・・これは松崎だけのものじゃないぞ」
月島「では誰にですか？」
鯉登「・・・・寿三大将殿にだ」
月島は「あぁ・・・」と呟いた。
月島「そういえば亡くなられていますもんね。
葬儀も昨日行われたって鶴見中尉が言ってました」
鯉登「寿三大将は松崎に見送って貰いたかったろうにな・・・月島」
私がそういうと月島は目を細め首を横に振った。
月島「全員が全員親子関係が良い訳ではありませんよ。鯉登少尉殿」
鯉登「・・・・親子なのにか」
月島「親子だからです」
鯉登「そうか・・・」
私も昔は父上と良い関係であるとは思えなかったが今は違う。
松崎は、どうだったんだろう。
月島「それで？どうして一日中松崎少尉についていたんですか」
「運ばれてきてから毎日顔を見に行ってますけど？」
鯉登「それは・・・・」
月島「・・・・・・あ、もしかして」
月島がにやりと笑った。
月島「あのときの話ですか？」
鯉登「・・・・チッ。まぁそうだ」
月島「へえ・・・意外だ。貴方にもちゃんと感謝の心があったんですね」
鯉登「な！？貴様は私をなんだと思ってるのだ」
月島「・・・懐かしいですね。アレには私も驚きましたけど」
鯉登「本来なら私とてあんなやつの手を借りたくは無かったんだがな」
「ふわぁぁ〜。眠・・・・。私はもう戻る」
月島「えぇ。ゆっくりお休みください」
私は月島より先に部屋の外に出た。
そう、アレは私の黒歴史でもある。
あんな奴に借りを作りたくはなかったのだ。
まぁ、作ってしまったからには返してやらねば。
それほどの恩ではある。
あのとき松崎はどんな気持ちで私の面倒を見に向かってきたのだろう。
起きてから聞いてみようか・・・。
鯉登「はやく終わらせたいからさっさと起きろよ。松崎」
私は自分の寝室にへと向かっていった。
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2020年12月13日 12時
