226話 作戦（1） ページ45
そして、顔を上げると、呟いた。
アシﾘパ「私たちが・・・フチにまた会う夢を見たと伝えて！！フチは信じて安心するかもしれないから」
アンケシ「必ず会いに戻る・・・そう伝えてください！！」
白石「達者でな。谷垣源次郎」
谷垣はこれ以上、Aたちに付いてこようとするのは諦めた。
ーー
Aたちは無事、目的の船に乗り込むことが出来た。
白石「もうすぐ出港するってよ」
「お前ら後で弾を取り出さねえとな・・・」
「しかしこんな酷い傷なのに・・・お前らどうやったら死ぬんだよ」
アシﾘパ「杉元・・・松崎・・・」
アンケシ「・・・・・」
心配そうに自分たちを見つめる三人に二人は言った。
杉元「大丈夫だ・・・こんな傷じゃ俺の魂は抜けていかない」
「まだその時じゃない」
A『まだ・・・くたばれない。
俺には・・・後少しの役目がある・・・』
アシﾘパとアンケシは俯いた。
白石「どうした頭巾ちゃん」
杉元とAの血痕を追ってきた兵士をヴァシリは見ていた。
白石が急いで撃つように指示を出す。
白石「バーン！！やれ！！お前なら当てられるだろ。バーン！！」
「見つかったらアシﾘパちゃん以外みんな殺されるぞ！！」
「いまなら仲間の兵士も近くにいねえ」
A『・・・・俺が、やる』
白石「怪我してんだからこれ以上動くな！！安静にしてろ」
Aの手から白石が銃を奪い取った。
アシﾘパ「足だぞ！！足を狙え」
アシﾘパがヴァシリの左足首を叩く。
アンケシが通訳をしようと口を開いたその時。
ヴァシリは引き金を引いてしまった。
その弾は・・・兵士の頭を貫いた。
アンケシ「あッ」
アシﾘパ「足に当てたか？」
白石「よくやった」
こうして、船は出港した。
白石「やった！！樺太脱出だ！！奴らから逃げ切ったぞッ」
白石が喜びの声を上げた途端、シロが帰ってきてAの足元におりた。
Aはシロの頭に手を置き、『おかえり』と呟いた。
アンケシは黙ったまま座り込んだ。
白石「しかしまったくよりによってあんなところで逃げようと決めるなんて・・・」
杉元「鶴見中尉たちに引きた渡されてしまえば厳重に監視されて逃げる隙も無くなっていたはずだ」
杉元の呟きに白石が頷いた。
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白文鳥 - ととさん» 嬉しいお言葉を有難うございます！訳あってこの作品はpixivにお引っ越ししました。励みを有難う御座います！そちらの方で頑張ります！ (2022年1月8日 19時) (
レス) id: 50fca864bb (このIDを非表示/違反報告)
とと - ここまで一気に読み進めてしまいました。続きが読みたくて、急いで単行本を読みました笑 主人公と周りとの距離感がたまらなく好きです。 (2021年6月24日 22時) (レス) id: 2c3ad1893b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白文鳥 | 作成日時：2021年1月18日 21時
