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126話 頼むよ(2) ページ18

谷垣と尾形はコタンを抜け出して湿原を走っていた。

谷垣「杉元と松崎たちを信じて待っても良かったのに・・・」

尾形「時間が迫ればそれだけ監視も厳しくなる」

谷垣「逃げれば罪を認めるようなものだ」

尾形「お前の鼻を削ぐのは俺がやっても良かったんだぜ」




一方、Aとアンケシはシロの案内でアシリパたちと合流した。

丁度、ウンコを発見して盛り上がっていたところだったらしい。

アシリパ「おそらく今日の朝のものだ!」

アンケシ「誰か人間がウンコの上で暴れまわっている跡がある」

杉元「姉畑支遁しかいねぇだろそんなの!!」

A『犯人は近いぞシロ!!リュウ!!』


アシリパが状況を分析する。

アシリパ「姉畑はヒグマのウンコを体に塗ってヒグマに近づく気だ」

  「飲まず食わずで冬ごもりしていた春のヒグマよりたくさん食べて体力を取り戻した夏のヒグマはとても強い」

  「馬の首も一撃でへし折る」

杉元が力強い声でいった。

杉元「俺たちはそんなヒグマから姉畑支遁を守らなきゃいけないってことか」

  「なんという無謀なバカ野郎だ!!
ヒグマとなんてヤレるわけがない!!」

  「絶対に不可能だッ!!」

Aがそれに呟く。

A『姉畑は【絶対にやってみせる!!】とか思ってんだろうな』


リュウが向こうの方にへと走り出した。

アシリパとアンケシがそれに続く。

アシリパ「リュウが強く反応してる」

アンケシ「行くぞAッ 佐一ッ」

シロがリュウを抜かして飛び去っていった。


ーー
リュウは姉畑の姿を見た途端飛びかかっていった。

アシリパとアンケシが直ぐに弓矢を構える。

アシリパ「リュウ離れろ」

アンケシ「矢に当たるッ」

シロがヒグマに飛びかかる。

A『あッ』

リュウが銃を引っ張ったせいで姉畑が引き金を引いてしまった。

銃弾がアシリパの鉢巻に当たる。

アシリパが矢から手を放してしまい隣にいたアンケシとぶつかった。

アンケシ「うわッ」 アシリパ「あッ」

Aと杉元が急いでふたりに手を伸ばすが・・・。


全員仲良く池に落ちた。

杉元「ぶはッ 深いぞこの池!!」

アシリパ「ヤチマナコだ」


※ヤチマナコ(谷池眼)。
湿原の泥炭の下には無数の川が流れており水の動きで泥炭がはがれ落ち穴があいて水面をのぞかせる。

小さな水面の下は壺型に3、4メートルも深くなっているところがあり夏は水草類で水面が隠れるため【湿原の落とし穴】と言われる。

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作者名:白文鳥 | 作成日時:2020年12月13日 20時

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