あなたのよいとこわるいとこ 01 ページ46
(前回同様、ちみっこい主人公です。本編の｢当たらずと雖も遠からず｣辺りを軸としています)
｢トントン、最近何か機嫌良い？｣
｢…分かる？｣
｢うん。あとエミさんもロボロも機嫌良いよな、何かあったん？｣
ここ最近目に見えて機嫌の良いトントンに、気になった鬱はトントン本人に尋ねてみた。(が、機嫌が良いといっても、ガバを許してくれる訳ではない)
トントンの感情を大きく揺れ動かす人物といえば、思い浮かぶのはあの二人だ。トントンが尊敬して止まないあの悪魔と、トントンが愛して止まないあの天使だ。さて今回はどちらだろうかと鬱は煙を吐き出した。
｢いや実はな、Aがな｣
どうやら今回はAのようだ。機嫌が良いということは、Aが何か嬉しいことでもしてくれたのだろう。果たして本人は気付いているのだろうか、にやにやと上がる口角を抑えることもせずにトントンは続ける。
｢Aがな、俺らの真似っ子してたんよ｣
｢真似っ子？｣
何それ可愛い。
真似っ子をするAを脳内に思い浮かべ、余りの愛らしさに鬱は吸っていた煙草を落としてしまった。危なかった、ここが室内ならば粛清剣が火を噴くところだ。
｢俺らが言ってた言葉とか、動きとかを一生懸命真似してた。鏡の前でな、わざわざ髪型も変えててな｣
｢は〜〜？？可愛いが過ぎる｣
そりゃあエーミールもロボロも機嫌が良かったわけだ。鬱は納得したように目を瞑る。
その後もトントンは真剣な顔が可愛かっただの、うちのAは記憶力が良いだのと親バカ全開で語っていた。
そんな嬉しそうなトントンの様子に微笑ましく感じると同時に、鬱は段々羨ましいとも感じるようになっていた。見たい。俺もAが真似っ子している姿を見たい。あわよくば俺の真似っ子をして欲しい！
｢トントン、俺もそれ見たい。目の前で見たい｣
｢え？まあ、俺も見たいけど…隠れてやっとったくらいやから頼んでもやってくれるか分からんで｣
｢もう土下座でも何でもするわ。俺はAの真似っ子を生で見るんや｣
｢それは…キモいですね…｣
幼女に土下座をする成人男性を思い浮かべたトントンは心底気持ち悪そうに顔を歪める。しかし、今の鬱にはそんなことは気にならなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
重(プロフ) - 緋彩さん» 緋彩様、コメントありがとうございます。小さい女の子とお兄さんがほのぼのしてるのが好きなんです…可愛いと思ってくださり嬉しいですー！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 主人公も可愛いんですが､個人的にショッピ君がにゃーって言ったの可愛い！ (2019年1月18日 20時) (レス) id: 5f8954327f (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 結衣さん» 結衣様、コメントありがとうございます。ふえぇ…嬉しいです…読んでくださりありがとうございました……！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - はえぇ...すごいですぅ...完結お疲れ様です (2018年12月30日 19時) (レス) id: 462408b9f9 (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 杉山さん» 杉山様、コメントありがとうございます。早速見て頂けたようで嬉しいです！大変お待たせしてしまいもしかしたら忘れてしまっていないかと心配しておりましたが、覚えていてくださったようで良かったです…！素敵なリクエストありがとうございましたー！ (2018年12月23日 8時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：重 | 作成日時：2018年7月15日 18時
