真綿を包む 03 ページ42
……騒がしい。
数室先の部屋から聞こえてくる大きな音に、オスマンは紙に滑らせていたペンを机上に置いた。
声から想像するに、どうやらショッピとゾム何やら言い合いながら暴れているようだ。笑い混じりの声であることから喧嘩をしている訳では無いようだが、どちらにせよ迷惑なことには変わりない。
｢はあ、集中力切れたわ｣
時計を見れば、丁度15時になったところだった。
小腹も空いてきていたところだったし、おやつにしよう。そういえばひとらんらんの故郷では3時がおやつの時間だったな、なんてことを考えながら席を立った。
すると、本当に微かではあるが、オスマンの部屋の外からコンコンと小さくノックの音が聞こえてきた。
『まんちゃん、A、です』
｢A？｣
この時間帯に訪ねてくるのは鬱かトントンだろうと思っていたオスマンは、ノックをした主が意外な人物であったことに驚きの声を上げる。
すぐさま扉を開けてやれば、視界の下の方で大きな両の眼がオスマンを見上げていた。
｢どしたん？何か用事？｣
『んーん。かくして、くらさい』
成程、そういうことか。
Aの言葉足らずな説明でも、聡明なオスマンはAの置かれている状況を理解した。
つまりはA達はかくれんぼをしていて、大方トントン辺りが足止めをしている間に隠れる場所を求めて来たのだろう。先程から聞こえてくる騒音もこのせいか、とオスマンは一人納得した。
｢勿論ええよ〜。今からおやつの時間やし、一緒に食べてく？｣
『！おかし』
｢食べ過ぎたらトントンに怒られるからちょっとだけな｣
そう言ってAを抱き上げたオスマンに、Aはこくりと大きく頷く。
｢(すっかり懐かれたなあ)｣
差し出されたクッキーを一生懸命に頬張るAの姿を見ながら、オスマンは上機嫌で紅茶を啜った。
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重(プロフ) - 緋彩さん» 緋彩様、コメントありがとうございます。小さい女の子とお兄さんがほのぼのしてるのが好きなんです…可愛いと思ってくださり嬉しいですー！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 主人公も可愛いんですが､個人的にショッピ君がにゃーって言ったの可愛い！ (2019年1月18日 20時) (レス) id: 5f8954327f (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 結衣さん» 結衣様、コメントありがとうございます。ふえぇ…嬉しいです…読んでくださりありがとうございました……！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - はえぇ...すごいですぅ...完結お疲れ様です (2018年12月30日 19時) (レス) id: 462408b9f9 (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 杉山さん» 杉山様、コメントありがとうございます。早速見て頂けたようで嬉しいです！大変お待たせしてしまいもしかしたら忘れてしまっていないかと心配しておりましたが、覚えていてくださったようで良かったです…！素敵なリクエストありがとうございましたー！ (2018年12月23日 8時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：重 | 作成日時：2018年7月15日 18時
