天使の囁き 01 ページ21
Aの生活リズムには乱れが無い。
朝の6時に目を覚まし、朝昼晩の食事はきちんと食べ、夜の9時には自室で眠りにつく。何とも模範的な1日の過ごし方である。
そしてAの習慣には、もう1つ抜けてはならないものがあった。
『…』
時刻は朝の6時。寝起きの良いAは普段通りぱっちりと目を覚ました。
Aは慣れた手つきで布団を整えた後、いの一番にとある場所へと向かっていった。
『とんとん』
辿り着いた場所は、養い親であるトントンの部屋だ。
Aは未だすやすやと寝息を立てるトントンのそばに寄っていくと、控えめにその大きな身体を揺らした。時折、『とんとん』や『あさ』といった単語を織り交ぜながら、トントンの反応を待つ。
そう。Aの日課とは、トントンを起こすことであった。
｢…ぅ、ん……｣
『とんとん』
｢ん、…A、か。おはよう｣
『おはよー』
ゆっくりと目を開いたトントンはAを見ると小さく笑い、挨拶をする。
トントンは素早く着替えを済ませると、Aを抱き上げて部屋を出た。
｢あ、トントン書記長。お早うございます｣
｢おはよう。今日も頼むわ｣
｢お任せください！｣
向かった先はとある女性兵士の元だった。
彼女は名をエマといい、例のAとの入浴を共にしている兵士である。その他にも着替えや健康チェックなど、主にAの身の回りの世話を任されている。
｢それじゃあAちゃん、ばんざいして｣
『ん』
｢ありがとう。今日はどんな服にしよっか？｣
『…まんちゃん』
｢ふふっ、Aちゃんあれお気に入りだもんね｣
初めのうちはAも緊張で萎縮していたものだが、今ではそれなりに距離は縮まりつつあった。
エマは嬉しそうに笑みを浮かべながらAに服を着せると、Aと手を繋いで部屋から出る。
部屋の前ではトントンが待機しており、出てきたAをひょいと抱き上げると、エマに礼を言い食堂へと保を進めて行った。
｢…いいなー、トントン書記長｣
私にはあんなに嬉しそうな顔してくれないのに。
1人残されたエマはぽつりと人知れずそんなことを呟く。子供好きな彼女は、Aと仲良くなりたいのだ。
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重(プロフ) - 緋彩さん» 緋彩様、コメントありがとうございます。小さい女の子とお兄さんがほのぼのしてるのが好きなんです…可愛いと思ってくださり嬉しいですー！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - 主人公も可愛いんですが､個人的にショッピ君がにゃーって言ったの可愛い！ (2019年1月18日 20時) (レス) id: 5f8954327f (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 結衣さん» 結衣様、コメントありがとうございます。ふえぇ…嬉しいです…読んでくださりありがとうございました……！ (2018年12月30日 20時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - はえぇ...すごいですぅ...完結お疲れ様です (2018年12月30日 19時) (レス) id: 462408b9f9 (このIDを非表示/違反報告)
重(プロフ) - 杉山さん» 杉山様、コメントありがとうございます。早速見て頂けたようで嬉しいです！大変お待たせしてしまいもしかしたら忘れてしまっていないかと心配しておりましたが、覚えていてくださったようで良かったです…！素敵なリクエストありがとうございましたー！ (2018年12月23日 8時) (レス) id: 2985056c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：重 | 作成日時：2018年7月15日 18時
