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フィディオさんはまたも泣きそうになるAの目線に合わせてしゃがみ、抱き寄せた。
フィディオ「ふふっ、そう言えばアフロくん。稲妻総合病院って何処にあるんだ？」
アフロディ「だから「ディ」まで言ってくれないかな？稲妻総合病院なら雷門中の正門裏にあるよ」
フィディオ「！てことはここから近いって事か。あっ、でも俺、まだ買い物も済ませてないし……」
『ヒデさんに頼まれていた物ですか？』
フィディオ「うん、そうだよ。これなんだけどね」
フィディオさんは自分の携帯の画面を見せて言った。
『着替えのパジャマと下着とバスタオルとフェイスタオル、カーディガン、ビニール袋、ウエットティッシュ、石鹸、シャンプー、リンス、メモ帳、ティシュぺーパー……。あれ？洗濯用の洗剤は要らないのですか？』
フィディオ「イタリアの病院とは違って洗濯機は無くて保護者とかその親しい相手が持って帰って洗うんだよ」
『ヒデさんのご両親はイタリアに住んでいますしね……』
フィディオ「うん、その……、だからね。Aにお願い出来ないかな？」
フィディオ(頼れる人がAしか……)
『任せて下さい、フィディオさん。ヒデさんのサポートならボクがします』
フィディオ「！A……っ(ﾄｸﾝ…)」
『それなら、ヒデさんに頼まれた物、こちらは全て今必要になりますか？』
フィディオ「うんん、全部すぐに必要じゃないよ」
『それでしたらボクが買っておきしょうか？』
フィディオ「え？でも……、俺達、Aに迷惑、掛けてばっかりだよね……」
『ボクはご迷惑とかそう言うの思った事ありませんよ。ボクはフィディオさん達の親友でチームメイトですしボクもお力になりたいですしね(微笑み)』
フィディオ「………っ(ｷﾞｭｯ…)」
フィディオ(俺達は……Aが居なかったら……っ)
『……？』
フィディオさんはAの優しさに嬉しくなり、彼をそっと抱き寄せた。
フィディオ「俺達、オルフェウスはAが居なかったら今頃終わっていたかもしれないよ。アイツらに、ミスターKにイタリア代表を奪われていたかも知れないよ」
『！フィディオさ……っ』
アフロディ「イタリア代表を奪われそうになった……？」
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作者名：雪代 | 作成日時：2021年2月21日 14時
