夢の中の彼ｰｰ1 ページ41
side：A
『…うぅん…？』
なんか、苦しい…？
目を開けても何故か目の前は真っ暗だし…
物理的に苦しい…
なんで？私床にクッションおいて寝てた筈なんだけど…
………キツい………何この私拘束されてます感……
ふと上を向く。
そこには見覚えのある金髪の美形…ギルギルが居た。
…いや、居たっていうのはちょっと違う。だって、ギルギルは私のことを現在進行形で抱き締めているんだから。
『！？』
え、抱き締めている！？
『お、お〜い、ギルギル〜？起きてる〜？……訳無いよね〜…』
普通に今明け方だし、いくらギルギルでも起きてないよね…。
…しかし。
「起きているぞ」
『ひゃあっ！？』
耳元で優しく囁かれる。ギルギルの息が耳にかかる。
「まったく、愛い顔をしよって」
再び耳元で優しくそう囁いて耳を甘噛みしてくる。
『…っ///』
耳元にギルギルの顔があるせいで、今どんな顔をしているのか見えない。
「…足りぬ」
『え？』
足りない？何が？
そう思っていると、ぐるんっと視界が動いて目の前の影が消える。
差し込む朝日に一瞬視界を奪われ、ぎゅっ、と強く目を閉じる。慣れてきた頃に再び目を開けると、私の上にギルギルがいて、私を押し倒しているという状況が生まれていた。
天井を見ると教会のものではなく、かつて毎日を過ごした神殿のものになっていた。
…あぁ、夢か。
夢なら別に何してもいいよね。
『ギルギル…』
彼の頬に優しく触れる。
夢であることを自覚したせいか、温度を感じない。
「A…我だけのA…誰にも渡さん」
『ギルギル…もう、何処にも行かないで…』
「当然だ。そなたを置いてはもう何処にも行かん。
…が」
『？』
何か言いかける。
「誰の目にも着かぬところで一生そなたを愛で続けるというのもいいだろう」
『…ふふ、ギルギルにそこまで大切にされるなんて、私幸せ者だなぁ』
「我に愛を捧げさせているのだぞ？当然であろう。常に噛み締めておけ」
『はーい』
そう言って微笑みあう。
………………？
今、何か視界の端で動いた。
「……？おい、どうし＿＿！？」
その言葉と同時に私の上に覆い被さる。お腹の辺りに何か滲んでいる気がする。
「…お、のれ、ざっしゅ＿＿！！」
その言葉が最後だった。
『＿＿！！ギルギル！！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
幻想彼岸桜 - 彩さん» コメントありがとうございます！！ギル様格好いいですよね！！私なんかの駄文でかっこよさが伝わっているのか不安で不安で仕方なかったんですが、そういっていただけて嬉しいです！！更新これからもじゃんじゃん頑張りますので、これからもよろしくお願いします！！ (2018年3月29日 1時) (
レス) id: c7d5f2986a (このIDを非表示/違反報告)
彩 - ギルがイケメン過ぎてやばいです！夢主ちゃん大好きです！更新頑張ってください！！ (2018年3月28日 13時) (レス) id: c08d229f7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わい型のきのこ | 作成日時：2018年1月9日 6時
