エピソード 09 ページ32
side：A
何故か私は泣いていて、
どこからかギルギルが現れて、
何故かギルギルに腕を引かれていて、
たしか、この先にある部屋は…ギルギルの部屋。
「………」
しかもギルギルはさっきから一言も喋らないし…
『………』
いや、私もか。
…って、そうじゃない！
『えっと…？ギルギル…？』
声を掛けてみるけど、返事はない。
そうこうしている間に、ギルギルの部屋に着く。
え、どうしよう…
「…A」
『…はい？』
「…何故、泣いていた」
『…っ……それは…』
最悪だ、見られてた。
弱いところが見られた。
なんて誤魔化そう。
自分でも解るくらいに目が泳ぐ。
「………」
一切口を開かずにこちらを見つめてくるギルギル。
その瞳には、何故か"苦しみ"が滲んでいた。
「…そうか」
そう言ったと思ったら、
『…え？』
何故か抱きしめられていた。
確かに、子供の頃はよくハグはしてた。
でも、この包容感は子供の頃とは何か違う気がする。
「……悪かった」
『え…何が？ギルギルは何も悪いことしてないよ…？』
「それは我も解っている」
いや、解ってるのもどうかと。
「しかし、何故か解らぬがAに謝らなければならぬ気がしてな」
『え、あ、うん…？』
十秒ほどこの時間が続く。
「……」
『……』
お互い一言も喋らない。
…いや、喋れない。
何か、話題…話題…話題…
…うん、何もない…
そう考えていたら。
ギルギルに無言でひょいっと持ち上げられて、
体が傾く感覚がして、
『！？』
ドサリ、という音と共に寝台に降ろされた。
「……して、Aよ。ここがどこかわかっているのであろうな？」
いや、つれてきたのギルギルだよね。
そんな考えは現実に掻き消える。
そのまま押し倒されて…
顔が近づいてきて…
お互いの息が顔にかかる位置で…
「ここにいましたか王よ＿＿ハッ、も、申し訳ございませんッ！！」
「……」
『……』
いや、ナイスタイミングだよ！！
『…あっ、どうしたの？』
「あの…その…」
あ、私邪魔なやつか。
『…うん、わかった。私、自分の部屋に居るから』
「ッ！待て、A！！」
『なんで？何か用があるなら私部屋で待ってるから、後で私の部屋に来てね』
そう言って、ギルギルの部屋を後にした。
「……チッ……」
遠くから、舌打ちの音が聞こえた気がした。
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幻想彼岸桜 - 彩さん» コメントありがとうございます！！ギル様格好いいですよね！！私なんかの駄文でかっこよさが伝わっているのか不安で不安で仕方なかったんですが、そういっていただけて嬉しいです！！更新これからもじゃんじゃん頑張りますので、これからもよろしくお願いします！！ (2018年3月29日 1時) (
レス) id: c7d5f2986a (このIDを非表示/違反報告)
彩 - ギルがイケメン過ぎてやばいです！夢主ちゃん大好きです！更新頑張ってください！！ (2018年3月28日 13時) (レス) id: c08d229f7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わい型のきのこ | 作成日時：2018年1月9日 6時
