怪我 ページ7
翌日、Aが廊下を歩いていると
向こう側から顰めっ面をしたプロシュートが歩いて来た
Aは何も言わず立ち去ろうとしたが
プロシュートは目の前で立ち止まった
体には無数の包帯が巻かれている
「A…さん」
『Aで良い、なんだ』
プロシュートは少し言い辛そうに唇を結んだ
Aが訝しげに眉を顰めるとプロシュートは余計口ごもってしまった
「A〜!」『!?』
突然、Aにテリーが抱き着いた
『テリー…』
「良いじゃんか!Aと僕の仲だろ♪」
Aが不機嫌そうにテリーを睨むがテリーは全く気にしない
それどころか、余計プロシュートに困惑させてしまったようだった
『で、何だ』
Aがプロシュートの方へ向き直ると
プロシュートは深く息を吸ってから
「もう一回お願いします」
目の前で深々と頭を下げられてAはとても困惑していた
テリーは興味深げに彼の手を見下ろした
Aは彼の手に少し不信感を覚え
プロシュートの右拳をパッと掴み服の裾を上へ捲くった
「!?」
すると案の定、プロシュートの拳は皮が捲れ、酷いくらいに爛れていた
『チッ、何もここまでとは言ってねェよ』
Aは先程までの鋭い眼光を優しくして
プロシュートの頭にポンッと手を乗せた
プロシュートは目を見開いてAを見る
テリーも驚きを隠せないのか開いた口が塞がらない
「え、めずらし、僕にもやってよ」
『あ?何でお前にやるんだよ』
テリーが甘えたような声を出すが
Aはそれを一蹴りしてプロシュートの頭を撫でた
『風呂行くぞ、オッサンは疲れた』
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作者名:捨て垢 | 作成日時:2020年6月4日 21時