8話 ページ9
『ん…?』(パチ…
意識が戻ると共に、ある人物の匂いがした
目を開けるとそこには高い天井
起き上がって周りを見渡すと、それはもう広いリビング?だった
『ここ、どこ?』
誰かいないものかと立ち上がった時、扉が開く音がした
そちらを向くと、眼鏡を掛けた男の子と白衣を着た老人が居た
コ「あ、目が覚めたんだね」
『えっと…?』
阿「すまんのぅ、この子がボールを貴女にぶつけてしまったらしくて」
『あ、そういえば』
そうだそうだ、この男の子は公園に居た男の子だ
じゃあ気を失う前の痛みはボールをぶつけられた痛みか。…どんだけ強いんボールを蹴るんだ、この子
コ「お姉さん、ボールぶつけちゃってごめんね?」
『いやいや、別にわざとじゃないんなら大丈夫だよ』
阿「他に痛みはないかね?」
『はい、大丈夫です』
この匂い…この男の子でもこの老人からでもない
でも確実にこの匂いの人間はこの家に居る
ついこの前までよく嗅いでいた匂い
『あの、私の思い違いだったらすみません。ここに先程まで女性の方がいらっしゃいませんでしたか?』
コ「ううん、居ないよ」
阿「生憎、ここにはワシとこの子しか居らんぞ?」
『そうですか、何と勘違いしてたんだろ』
違う、この人達は嘘を付いている
匂いが変わったし、何より男の子の方はよく見ないとわからない程度だが、少し顔が引き攣っている
コ「そういえば、お姉さんの名前は?僕、江戸川コナン」
阿「ワシは発明家の阿笠博士じゃ」
『阿笠さんとコナン君ですね。私の名前は九条涼花と言います』
ここは偽名を名乗っておくか、何となくこの男の子は警戒しておかないといけない感じがする
コ「九条さんだね、普段何してる人なの?」
『しがないフリーターだよ。休日はサバイバルゲームをしたり、家にあるトイガンと的を使って射撃をしたりしてるね』
手にある豆を誤魔化す為に嘘を付く
サバイバルゲームやトイガンで豆ができるかどうかはわからないが、少しは騙せるだろ
『たまには外で読書するのも良いかなって思ったら、君にボールをぶつけられたってわけだ』
コ「うっ…;」
この反応的には本当に偶然だな
いつもなら私も難なく避けるが、考え事のし過ぎだな
阿「詫びと言ってはなんじゃが、夕飯を食べていかんか?」
『え、そんなそこまで…っ』
冗談じゃない、ここまで人間の食べ物を食べずに生きてきたのに
コ「お姉さん、ダメ?」
『えーっと…』
prrr…
ここで狙ったかのように私のケータイに着信が入った
208人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八雲(妖狐)鈴蘭(九尾) - 面白かったです!これから頑張ってください! (2019年4月30日 23時) (レス) id: 446ed194ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ホタル | 作成日時:2017年1月17日 13時