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19話 ページ20

前の世界は良かった
そりゃ、白鳩(ハト)から隠れ、怯えて暮らす生活が良かったわけじゃない
初めてこの世界に来た時、白鳩が居らずとても平穏な生活ができる楽園かと思った
でも、私は喰種。人を喰わねば生きていけない

1人目は公園で寝ていたホームレス。近隣住民に自分の気に入らないことがあれば怒鳴りつけ、迷惑がられていた
2人目はたまたま遭遇したひったくり。すぐに追いかけ、裏路地に逃げ込んだ所で食い殺した
そして3人、4人と、犯罪を犯した人間を捕まえて食べていた
しかし、そんなことを続けているうち、その犯罪者の家族が捜索願を出し始めた

(普通の犯罪者じゃだめだ。警察が踏み入ることのできないほどの深い世界…裏の人間じゃなければ)

そう思い始めたある日、あの男と遭遇した

ジ「なんだテメェ」
『…人に名を聞くときは自分からって習いませんでした?』

いつものように面を被り、どこかに罪を犯した人間はいないかと散歩していると、人がめったに通らない裏路地で、ジンが組織の鼠の始末をしていた
それを見た私は何を思ったのか

『その死体、私が処理しておきましょうか?』

と口走っていた
確かに、今のままでは足がつくのも時間の問題。だから、生活改善をしようと思っていた
しかし、自分の身を裏社会に投じる必要はない。前の世界のように、各地を転々とすればいいだけのはずだったのに、私は自分の空腹に耐えきれなかった

ジ「掃除屋か」
『はい。銃殺、絞殺、刺殺、毒殺、溺死、火あぶり、釜茹で、電気、石打ち。どんな殺し方をしても、全て私がいただきます』
ジ「ほぉ…中々自信があるようだな。なら、テメェに任せてみるか。もし、チリ1つでも残してみろ。どんな手を使ってでもテメェを見つけ出して殺す」
『これからもご贔屓にしていただければ助かります。あ、これ私の電話番号ですので』

それ以来、何度か死体処理の依頼があり、組織から信頼されるようになり、いつしか組織幹部の死体処理役になっていた

(ホント、その時の私はどうかしていた)

今は、喰種だと分かっても、どこかの研究所や国家施設におくられることはないと確約が取れた。存分に組織壊滅に挑める

(店長…あなたの店のコーヒーが恋しいです)

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八雲(妖狐)鈴蘭(九尾) - 面白かったです!これから頑張ってください! (2019年4月30日 23時) (レス) id: 446ed194ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホタル | 作成日時:2017年1月17日 13時

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