俺/おれ/僕たちが惚れたのは、貴女が可愛すぎるから悪いんです！！【白鳥沢】

１０話:友達は凄い ページ11

皆が同時にハッとして、思わず笑いそうだったけど、ギリギリで耐えた。


その時、鷲匠監督は撫でるのをやめて、ただ私の頭に手を置いた。


皆は自分がタオルとスポドリを持っていることに気づく。


五「あっ！すっ……A先輩っ！俺のスパイクどうでしたか！？」


工が一番最初に話しかけた。


本当は頭撫でて褒めてあげたいけど、プイッとそっぽを向く。


ガーンッと音がするほど落ち込む工。


鷲匠監督は私の頭に置いてある手で、軽くチョップする。


ちょっと痛いけど、知らないっ。


それを見ていた皆が、驚いて焦りだす。


天「Aチャン。機嫌悪い？」


しゃがんで目線を合わせようとする天童。


答えずに逆方向を向いて、ツーンとする。


鷲「お前ら、さっさと休憩せんかァァァァァァァい！！！」


鷲匠監督の声に慌てて水分補給とかして、烏野と試合をする。


頬を膨らませたまま、スポドリの入ったカゴとタオルを持っていく。


水道に着くと潔子だけがいて、雪絵はいなかった。


無言でスポドリを作り始める。


清「A。何かあったの？」


スポドリを無言でシャカシャカする私の顔を、覗きこむ潔子。


『……………別に。』


視線をそらして、素っ気なく答える。


清「嘘。言ってみたら楽になるかもよ？」


珍しく食い下がらない潔子に、ちょっとだけ驚く。


『………別に、悲しかった訳じゃないもん。』


清「(分かりやすいなぁ……)」


…………潔子、絶対疑ってる。


『本当だもん。』


清「じゃあ、何？」


『……………寂しかった………。』ﾎﾞｿｯ


相手にされなくて、無視されてるみたいで、悲しかった。寂しかった。


だんだん顔が、体が熱くなる。


子供っぽいのは分かってる。


皆が優しいから、ついつい甘えちゃう。


だから…………かな？


清「ふふっ。大丈夫。そのうち仲直りできるよ。」ﾆｺｯ


『…………本当？』


ようやく潔子の目を見る。


清「本当だよ。」ﾆｺｯ


そういって、潔子は私の頭を優しく頭を撫でた。


鷲匠監督とは違う、優しさがあった。


なんだか、気持ちが軽くなったような気がする。


友達って凄いなぁ……。


有り難う。潔子。


清「(気持ち良さそう……。可愛いなぁ。)」

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