俺/おれ/僕たちが惚れたのは、貴女が可愛すぎるから悪いんです！！【白鳥沢】

８話:アドバイス ページ9

やっと練習試合が終わって、私も説教から解放された。


何言ってるか分かんないから、聞き流してたけど。


他のところも終わったのか、ボールの音はしなくなった。


代わりに、話し声が増えたけど。


白鳥沢の皆がスポドリを取る。


渡せる人だけ渡して、渡せなかった人は勝手に取った。


牛「手は大丈夫なのか？」


タオルを肩にかけ、スポドリを持って牛島が話しかける。


『うん。全然平気。』


すると、あの牛島が笑った。


私も人のこと言えないくらい、表情筋が動かないけど。


あっ。大平。


牛島と別れ、大平に近づく。


『大平。ちょっとタイミング早かったから、ちょっと意識して飛んでみて。』


結局打てたけど、ドンピシャの方が威力が増す。


大「おう。」


嫌な顔せず聞いてくれる大平は、優男だと思う。


『あと瀬見と白布。少しだけフェイントも入れてみて。』


白「はい。でも、フェイントって？」


まずそこからか。


『視線とか、トス上げると見せかけてツーアタックとか。視線フェイントは、スパイクを打つときも使えるよ。』


視線フェイントは、音駒のSも使っていた。


瀬「視線フェイントは、トスは分かるけどスパイク打つときは無茶なんじゃないか？もしかしたら、OUTになる可能性もある。」


『そうかもね。でも、コートと感覚を暗記すれば問題ないわ。』


瀬見も白布も首をかしげる。


天「見なくても、この位置からこう打てば点が入るって感覚を覚えろってことだヨ。」


後ろから抱き着きながら代わりに説明したのは、天童だった。


『言い方は悪いけど、そういうこと。あと、人前で抱き着かないでっていつも言ってるでしょ。』


ほら。瀬見も白布も睨んでるじゃん。


瀬「(殺意が湧いてくる)」


白「(すぐに離れろ)」


『………ねぇ。本当に、やめて？』


私より背が高い天童を見上げる。


すると、何故か赤くなって、蹲ってる。


天「(上目遣いは反則だヨ///)」


『ねぇ、瀬見。あれは一体………。』


そう言って、蹲っている天童を指さす。


どうすればいいか分からないから、瀬見に聞いといた。


瀬「あー……。放っていいと思う。」


『分かった。』


瀬見の言葉を信じ、天童を放って工と話した。


今思ったけど、この合宿に来ている白鳥沢の１年が工だけだった。


他の１年は用事と体調不良で欠席。


寂しいだろうなと思い、いっぱい頭を撫でておいた。

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