( 続 )「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 59 ページ9

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次の日


私はいつも通り出社して仕事をした。

勿論 玲於さんに会ったりしたけど、仕事中はあくまでもアーティストとスタッフ

付き合ってる事は二人の秘密にしよう、って昨日約束したんだ。



とりあえず、今はそうしておいた方がいいと思う
こんなの社内に広まったら私 多分クビかも知れないしね(笑)





涼太「 昨日あれから、どーだった？」

「 昨日？あ … あぁ、それは … 」




いっけない、忘れてた。

涼太くんのお陰で 玲於さんに向き合えたと言っても過言ではない

でも、二人の秘密にしようって約束したし

ここで私が言うのも違うか ？





玲於「 何、昨日あれからって 」

涼太「 んー？何でもないよ？」


玲於「 … ふーん 」






あ、まずい

玲於さんちょっと不機嫌になりそう。

そういえば昨夜は「 俺のことが好きなら何で涼太くんと花火なんて見に行ったの 」と拗ねられた。


行きたくなさそうだったの、誰よ …



案外ヤキモチとか妬いちゃうタイプなのかな

それはそれでかわいいけど。




「 玲於さん、ちょっと 」

玲於「 なに？」

「 こっち、来てください 」






…


楽屋の外に彼を呼び出すと、二人きりになった途端にニヤリと笑う玲於さん

そんな些細な表情にさえドキリとしてしまう






玲於「 … え？涼太くんに相談したの？」


「 うん、っていうか … 私が玲於さん好きなのバレてて、それで話しちゃって 」


玲於「 んだよ〜、早く言ってよそーゆーのは 」


「 んぇ … すみません 」






涼太くんに「 もしかして、玲於の事好き？」って聞かれた時は驚いた

私は態度や表情に出さないように必死に隠してきたつもりだったのに

涼太くんには私の心が少しだけバレてしまっていたみたい


あの黒くてキュルキュルの瞳で見つめられたら
心まで見透かされてしまいそうで

変に嘘つくのも出来なくて、私は素直に「 好き 」って答えた。






玲於「 … 涼太くん、狙うとか言ってたのに完全に騙されたな 俺 」


「 … ？？」




とにかく、付き合ってる事は言わないにしても

きっと涼太くんにはまたもやバレてしまうのも時間の問題かな … なんて

おそるべし、片寄涼太。





玲於「 A 」

「 は、はい 」


玲於「 … って、呼んでいい？これから 」




不意に下の名前で呼び捨てされたから
また胸がドキリと鳴った



「ふふ。勿論 」


呼び方なんて、貴方のその声で呼ばれるなら
なんだって構わないけどね





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