「惚れさせ屋」佐野玲於 (ページ47)

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stage 47 ページ47

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「私と、ですか？」

涼太「うん。明日の花火大会 … どうかな、一緒に」

何という事でしょう。
赤城A、彼氏いない歴ホニャララ。

あの片寄涼太から花火大会に行こうとお誘いを受けました … ！

「みんなでって事？」

涼太「違うよ？俺と2人きりで。」

「えっ？」

涼太「あれ、ヤだった？」

“ ヤだった？” と首をこてんと傾げて
きゅるきゅるの目で見つめられたらもう

断れるわけないじゃん、涼太くんあざとすぎる …

でも何で私？
っていうか私と2人きりなんて大丈夫なのかな

撮られたりしないのかな

「私は、嫌じゃないけど … いいの？」

涼太「勿論だよ」

…

何でだろう

謎過ぎる。涼太くんとはまだ2人で食事したことも無いのに急に花火大会って …

いや別に嫌とかそんなんじゃないけど

なんかちょっと引っかかってるの、玲於さんのことが

玲於「 … 行くの？明日」

「う、うん。玲於さんは？」

玲於「行かない。俺人混みとか苦手だし」

「ふふ、そっか。そうだよね」

玲於さんは、そういうタイプ。
人混み苦手だしインドア派だしいつも冷静で

私がどんなに頑張ってもいつも余裕そうな顔してる

私の事落としてみせるなんて言っといて

落ちても責任なんてきっと取ってくれない

玲於「 2人きり？」

「うん、そうみたい」

玲於「好き？涼太くんの事」

「そりゃ、普通に好きだよ？みんなと同じくらい」

玲於「じゃあ俺は？」

ねえ、玲於さん

何でそんな意地悪な質問するの？

これじゃあまるで玲於さんが、私の事を好きみたいじゃん。

「うん、好きだよ」

玲於「みんなと同じくらい？」

「 … 分かんない」

そんなの、言えるわけないでしょ？

分かってる。どれだけ玲於さんの事が好きなのか
自分でも、よくわかってる。

答えは出てるの、もうすぐそこに

でもそれを言葉にしてしまったら

全てが終わってしまう気がして

「私、衣装取ってくるね」

玲於「 … 行くなよ」

その場から逃げたくて、適当な理由付けて部屋を出ようとした途端に

ぎゅっと私の腕を掴んで、まるで捨て猫みたいな顔をする玲於さん

「 … いや、でも仕事が」

玲於「じゃなくて。… 花火大会、行くな」

「 … え？」

玲於さんはそう言い残して、現場へと行ってしまった

どうしてそんな事言うの？

私、単純だから期待しちゃうよ？

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