「惚れさせ屋」佐野玲於 (ページ38)

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stage 38 ページ38

Reo side

今日俺がAちゃんを誘ったのは

そろそろ本気で落としたいと思ったから。

なかなか手強いと思ったけど、最近ちょっとずつ俺に気が向いているような気がする。

気がするだけで、本当のところは分からないけど

「ん～めっちゃ美味しい！」

玲於「ふは、ガキみたいな食いっぷりだな」

ハムスターみたいに、口ん中いっぱいに入れて
もぐもぐタイムなAちゃん。

幸せそうに食うから、俺も嬉しくなる

玲於「あそこの東京タワー見て、オレンジ色に光ってるでしょ」

「うん、綺麗 … 」

そう言えば彼女は携帯で窓から見える東京の景色を写真に収めていた。

確か出身は東京じゃなかったっけな。

東京タワーを何枚か撮って嬉しそうにはしゃぐ

そんな姿も可愛いじゃん、なんて思ってしまう俺はもう相当彼女にハマってる。

玲於「よく見ててね？いくよ？ 3、2、1 … 」

「わっ、消えた！」

AM 0:00

日付が変わった午前零時

東京タワーの消灯に合わせて、まるで俺が消したかのように振る舞って見せれば

Aちゃんは「え、なんで？！」なんてキラキラした目で俺を見つめた

玲於「実は俺魔法使えるんだよね」

「 … すごい。ふふ、」

俺が魔法使いだなんて冗談を、彼女は信じないだろうけど

俺がこういう事をしないタイプだと思っていたのか、「玲於さんったら」と笑った

そんな彼女を俺は帰したくなくなった。

玲於「ねえ、この後 … うちくる？」

「え？でもこの前お邪魔したばっかりだし … 」

玲於「なんか用事とかあんの？」

「ないけど、」

けど、何？
彼氏がいるから他の男の家には入れない？

俺の家に来ることに抵抗があるらしい彼女は、意味深に困った顔をして笑う

玲於「ないなら来りゃいいじゃん。」

「でもこんな時間に、悪いし」

玲於「別に平気。終電ないし丁度よくない？」

「うん … 」

この前は俺が酔ってたから仕方なく着いてきてくれたって事か？

だったら、今日も甘えたら
また「仕方ないな」って受け入れてくれる？

玲於「 … おれ、Aちゃんともっと一緒にいたい」

「 … 玲於さん。私、彼氏居るよ？」

玲於「 … 彼氏いるの、関係ある？」

こんな事言ったって、困らせるだけなのに

俺はそのままAちゃんを抱き締めた

玲於「俺んとこ、きてよ」

ずるいやり方だって分かってるけど、君が欲しいんだ。

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